長夢

□†交声曲†
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『副長…すみません…』


「気にするな。それよりアイツが…」


『え…お通ちゃんですか?』


「ああ…攘夷浪士に捕まっちまった」


『すいません…取り囲まれた時、お通ちゃんを先に逃がしたんです。』


「まぁ仕方ねェよ。今から行って来る。お前と吉田はここに残れ。」


「『はい。』」



私と吉田はパトカーに残り、副長は走って行った




「気になる…ね…」


『うん…』


「内緒で見に行く?」


『私、免許持ってない』


まだ18歳だし。


「俺、持ってるよ。田舎で免許取って来た。」


『さすが19歳!!お願いします!!』


「任せといて!!」



私と吉田は、副長が向かった場所へとパトカーを走らせた。







『あ!!』


そこにいたのは、紛れもなく捕まったお通ちゃん


「あいつらお通ちゃんを…!!」


ちなみに吉田はお通ちゃんの大ファンである。


『見て!!副長が!!』


《三回回ってワン》してる!!!


「…嘘…」


絶対あの人めっちゃ傷付いてるよ!!


プライドずたずただよ!



周りではメディアが囃し立てる。


まるで【真撰組は無力】だと言わんばかりに…。


「そんな…局長を殺せだなんて…!!」


『許せない…!』


私は頭に血が上って、パトカーを出ようとした。


「待って、」


吉田が私を止める。


『だって…!!』


「大丈夫。俺達はみんなを信じて待とう。」


『…吉田…』


吉田の心からは、はっきりとした自信が見えた。


「窓の外、見ててよ。」


『え…?』


その言葉の意味が分かったのは、それから間もなくだった。




 
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