連載番外
□連載番外小話
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仕事が終わり、私は副長と山崎さんとご飯を食べに行く事になった。
珍しく副長の奢りなので、正直嬉しいです。
そして連れて来られた先は、ごく普通の料亭。
副長のオススメがあるそうなので、頂く事にしたのですが…
「絶対やめといた方がいいって!!」
山崎さんが必死に私の注文を阻止しようとする。
『でも…副長は美味しいと言ってますし…』
「ああ。今夜は一応俺の奢りなんだから、山崎に権限はねーんだよ。」
副長の絶対的自信に、何故か嫌な予感を感じた瞬間だった。
「へい、お待ちー」
ドン、と私の目の前に丼が置かれる。
『何ですか…コレ?』
この淡いパステルイエローの調味料…!!
も、もしかして…
「俺イチ押しの、カツ丼土方スペシャルだ。」
『…カツ丼!?』
マヨ丼じゃなくて!?
私が箸でマヨネーズを掻き分けると、確かに黄色くなったカツとご飯が入っている。
『じょ、冗談ですよね…これ、副長が食べるんですよね!?』
副長マヨラーですもんね!?
「いいや。こっちが俺ので、それはお前の。」
副長は既に私と同じ丼を食べ始めている。
『…嘘…』
「だからやめときなって言ったのに…」
山崎さんは悲しげに普通の親子丼を突く。
『…』
私は箸を片手に、絶望に暮れるのであった。