連載番外
□だいっきらい
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『暇だよー…』
「…そうでござるな。」
『あ、ねぇ兄上!』
「ん?」
『…明日晴れたら、一緒に遊んでくれる?』
「…構わぬが…何故でござるか?」
『…兄上に、見せたいところがあるでござる。』
今日の梅雨空を見上げ、微笑みながら、二人は約束を交わした
はずだった。
そしてその翌日、
見事に晴れたのだが…
「すまぬっ…!」
『兄上の嘘つきっ!』
拙者と妹は衝突していた。
「しかしこれは…『バカっ!!兄上のバカっ!』
「バ…バカとは何でござるかっ!!」
危うく二人が取っ組み合いになるというところで、親がそれを止めた。
「もう…仕方ないでしょ…お兄ちゃんだってどうしても無理なんだから。」
『…むぅ…』
母上に宥められ、妹は渋々部屋へと戻る。
「…」
すまぬな…
…今日ばかりは、
仕方無いのでござる。
拙者も心底申し訳ないと思いつつ、部屋を出た。