連載番外
□カゼノトオリミチ
3ページ/5ページ
ドサッ
『わぁ!』
「!」
そしてそのまま、兄上の「荷台」の上に下ろされた。
『な、何で?』
「これは本来、荷物を載せる所では……?」
兄上も首を傾げている。
「ああ。でもこうやって【二人乗り】も出来るんだぞ。」
『…ふたりのり……』
何か楽しそうだなぁ…
「うん、それがいいでござる!」
兄上がそう言ったので、私達ははじめての【二人乗り】をする事になった。
「兄上の背中、離すなよ。」
『はい!』
「じゃあ、行くでござるよ!」
こうして、私と兄上の小さな二人旅が始まった。
『兄上ー、まずどこに行くでござるかー?』
涼しい風を感じながら、拙者達は村を出発した。
「うーん……」
山にしようか
川にしようか
学校にしようか
ううん、折角だからやっぱもっと遠くがいい。
隣村なんかどうだろう。
憧れのあの街も捨て難いな。
『私はどこでもいいでござるよー!』
「拙者もでござるー!」
『ま、いっかー!』
とにかく行けるとこまでゆっくり適当に走ってみよう、と二人で話し合って決めた。