◆Library◇

□許されるなら…
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もしも、僕の思いが


許されるなら…


s「何をそんなに落ち着きなくされているのですか?」

c「…何のことだ?」

s「お惚けになるのですか?」

c「うるさい!」

s「クス…申し訳ありません。」

まったくこいつは…。
だが、こいつが言っていることは合っていた。
落ち着かない。
何故なら、今日は僕の"姉"が帰ってくるのだ。

姉とは、血が繋がっていない。
幼いときに僕の父が拾ったということらしい。
僕は姉のことを慕(した)っている。
家族としてではない。
一人の女性として、だ。

ガチャッ

扉がゆっくりと開かれた。

「シエル…」

c「ノックもせずに扉を開くのはどうかと思うぞ?」

「ごめんなさい。早くシエルに会いたかったのよ。」

人の気も知らないで、そんな言葉を簡単に使わないで欲しい。

c「…お帰り、クオリア姉様。」

「ただいま、シエル。」

"僕の大好きな姉が帰って来た"

その事実をゆっくりと噛(か)み締(し)めるように姉の名を呼んだ。
昔のように…。
綺麗なあの頃のように…。

あの頃と変わらない笑顔を向けてくれる姉が…クオリアが愛しい。


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