◆Library◇
□チョコよりも…
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私は書斎から出て、ワゴンを押して、再び中に入る。
その上に乗せたお椀(わん)型のお皿を手に取り、シエルの傍に行く。
C「まさか、これを食べろというのか?」
「ちょっと違うけど、そうなるかな。」
C「“チョコレートを溶かしただけ”とはな…。
流石(さすが)に驚いた。」
そう、私が出したのは…
湯煎したチョコレートをそのままお椀に入れただけのもの。
C「どうやって食べるんだ?」
「こうするの。」
私はチョコレートを指に絡(から)ませる。
シエルの頬が赤くなる。
C「おい、クオリア。
それを…食べろと…///?」
可愛い〜♪
「動いちゃダメだよ?
服につけたくないから。」
C「ちょっ…ま…///」
ペチョッ
ペロ
シエル硬直。
そうなるよね。
だって…
C「な…なに…して…///」
「何って…
“シエルの頬にチョコレートつけて、私が舐め取っただけ”よ?」
C「だから、何でこんなことを…///」
「思いつき?」
C「何で疑問系なんだ?」
「何となく♪」
C「全く…お前は…///」
「てへ☆」
本当は、ちょっとした悪戯(いたずら)心と、最近構ってくれない貴方へのメッセージが込もって、至(いた)った行為。
気付かなくていい…私の我儘(わがまま)だから。
C「驚いたが…こう言うのも悪くない。」
「え?」
C「だって、僕は…」
チョコよりも…
お前のほうが欲しいんだから。
(それに、
構ってやれなかったからって、なぁ…?
お前は大胆(だいたん)なヤツだ。)
(き、気付いてたの…///?)
(気付かないわけがない。
早めに仕事を片付けて、
今日は一緒に出掛けよう。
あ…それと、
ホワイトデーは楽しみにしておけよ?)
end