◆Library◇
□日向ぼっこ
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起き上がる。
このまま寝たら、夜眠れない…。
「読み掛(か)けの本を読もう。」
本を手に取り、窓辺(まどべ)で読み始めた。
◆◇◆
C「クオリア。」
「ん…?」
C「起きたか。」
「寝ちゃってたのね…」
C「ああ。可愛い寝顔だったぞ。」
意地悪い笑顔。
C「さぁ、行くぞ。」
「何処(どこ)に?」
C「何処って…庭に決まっているだろう。」
「…そんな時間まで寝ちゃったのね……」
C「わかったんなら行くぞ。
もう待てない……」
私はシエルに手を引かれるまま庭に向かう。
◇◆◇
S「ようやくいらっしゃいましたか。」
紅茶とスイーツの乗ったワゴンの傍で微笑んでいる。
C「で、クオリア。テーブルとイスがないのに、どうするんだ?」
「こうするのよ。」
今度は私がシエルの手を引き、ワゴンから少し離れた場所に誘導(ゆうどう)する。
シエルの後ろに立ち、シエルの肩に手を置く。
C「うわぁっ!!?」
芝生(しばふ)の上に座る。
「ごめんね。こうしないと座らないと思ったから…」
S「クスクス…」
C「笑うな!」
S「笑ってはおりませんよ?
気のせいではありませんか?」
C「貴様…」
S「膝(ひざ)カックンとは…
坊っちゃんはお嬢様の前では隙(すき)だらけですね?」
C「う、煩(うるさ)い!」
「もう…。喧嘩(けんか)しないの!」
C「喧嘩なんかしてない!
セバスチャン!早く紅茶をよこせ!」
S「御意。」
「シエルったら…」
そうして、楽しい時間が流れる。
いつの間にか、屋敷の皆が集まっていた。
C「なんでこうなったんだ?」
「さぁね?」
C「さぁね、ってお前がコイツらを引き止めるからだろうが!」
「フフフ、わかってるじゃない。なんでこうなったのかってこと。」
C「知るか///!」
「シエル。」
グイ
C「っ!?」
私はシエルの頭を私の膝の上に乗せた。
俗(ぞく)にいう、膝枕(ひざまくら)の格好(かっこう)。
C「いい加減「甘えてよ。」
…え?」
「私に甘えてよ、シエル。」
頭を撫でながら、これまでの気持ちを打ち明ける。
C「僕には…そんなこと、許されない。…いや、許さない。」
「私はシエルが好き。」
C「何を言って…」
「愛してる。」
C「クオリア…」
「私の一生をあげる。
もらってくれる?」
C「…もらってやる、お前の一生。」
「だったら…甘えて、私だけに…私だけには、甘えることを許して。」
C「…傍にいろ。」
シエルが私の膝に擦(す)り寄(よ)る仕草(しぐさ)をする。
C「…傍に…いて…ずっと、はなれ…ないで…」
その後、規則的に寝息が聞こえる。
日向ぼっこ
僕にとって、君は太陽で…
安心して眠れるのは、君がいるから…
(寝ちゃった…)(部屋に移りますか?)(もう少しだけ、このままで…)(畏まりました)
end