◆Library◇

□日向ぼっこ
2ページ/2ページ


起き上がる。
このまま寝たら、夜眠れない…。

「読み掛(か)けの本を読もう。」

本を手に取り、窓辺(まどべ)で読み始めた。

◆◇◆

C「クオリア。」

「ん…?」

C「起きたか。」

「寝ちゃってたのね…」

C「ああ。可愛い寝顔だったぞ。」

意地悪い笑顔。

C「さぁ、行くぞ。」

「何処(どこ)に?」

C「何処って…庭に決まっているだろう。」

「…そんな時間まで寝ちゃったのね……」

C「わかったんなら行くぞ。
もう待てない……」

私はシエルに手を引かれるまま庭に向かう。

◇◆◇


S「ようやくいらっしゃいましたか。」

紅茶とスイーツの乗ったワゴンの傍で微笑んでいる。

C「で、クオリア。テーブルとイスがないのに、どうするんだ?」

「こうするのよ。」

今度は私がシエルの手を引き、ワゴンから少し離れた場所に誘導(ゆうどう)する。
シエルの後ろに立ち、シエルの肩に手を置く。

C「うわぁっ!!?」

芝生(しばふ)の上に座る。

「ごめんね。こうしないと座らないと思ったから…」

S「クスクス…」

C「笑うな!」

S「笑ってはおりませんよ?
気のせいではありませんか?」

C「貴様…」



S「膝(ひざ)カックンとは…
坊っちゃんはお嬢様の前では隙(すき)だらけですね?」

C「う、煩(うるさ)い!」

「もう…。喧嘩(けんか)しないの!」

C「喧嘩なんかしてない!
セバスチャン!早く紅茶をよこせ!」

S「御意。」

「シエルったら…」

そうして、楽しい時間が流れる。
いつの間にか、屋敷の皆が集まっていた。

C「なんでこうなったんだ?」

「さぁね?」

C「さぁね、ってお前がコイツらを引き止めるからだろうが!」

「フフフ、わかってるじゃない。なんでこうなったのかってこと。」

C「知るか///!」

「シエル。」

グイ

C「っ!?」

私はシエルの頭を私の膝の上に乗せた。
俗(ぞく)にいう、膝枕(ひざまくら)の格好(かっこう)。

C「いい加減「甘えてよ。」
…え?」

「私に甘えてよ、シエル。」

頭を撫でながら、これまでの気持ちを打ち明ける。

C「僕には…そんなこと、許されない。…いや、許さない。」

「私はシエルが好き。」

C「何を言って…」

「愛してる。」

C「クオリア…」

「私の一生をあげる。
もらってくれる?」


C「…もらってやる、お前の一生。」

「だったら…甘えて、私だけに…私だけには、甘えることを許して。」

C「…傍にいろ。」

シエルが私の膝に擦(す)り寄(よ)る仕草(しぐさ)をする。

C「…傍に…いて…ずっと、はなれ…ないで…」

その後、規則的に寝息が聞こえる。


日向ぼっこ


僕にとって、君は太陽で…
安心して眠れるのは、君がいるから…


(寝ちゃった…)(部屋に移りますか?)(もう少しだけ、このままで…)(畏まりました)


end







前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ