◆Library◇

□見てるだけでいい
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e「シエルー♪♪」

c「エリザベス…何しに来た。」

e「何しに来たなんて酷いじゃない!
それと、エリザベスじゃなくてリジーって呼んでって言ってるじゃない!」

c「…リジー、で何しに来たんだ?」

e「遊びに来たの!何よりシエルに会いたくて♪」

c「僕は暇じゃない…悪いがお前の相手は出来ない。」

r「酷い!シエルは私のこと嫌いなのね!!」

c「そこまでは言ってないだろう。…ハァー、わかった。少しだけなら時間を割(さ)こう。それでいいな。」

r「ありがとう!シエルゥ!!」

勢いよくエリザベス様がシエル様に抱き着いた。

c「わかったから、抱き付くな!」

ズキッ

その光景を見るだけで、胸が痛む。
しかし、それは決して表には出してはならない。
痛む胸を手で触れまいと必死で抑えながら、その場をやり過ごした。

s「クオリア。」

「はい?」

その後、セバスチャンに呼び止められた。

「何でしょう?何か追加の仕事ですか?」

s「大丈夫ですか?」

「何のことですか?」

s「私に隠せるとでも?」

「……。」

s「辛かったですね…」

セバスチャンの大きな手が私の頭を撫(な)でる。

その瞬間に、何かが外れた…

ギュッ

s「クオリア…?」

「暫(しばら)く…こうさせていて…」

私はセバスチャンに抱き着いた。
セバスチャンは何も言わず、頭を撫で続けてくれた。

c「…何をしてる。」

s「坊っちゃん。」

「…何でもありません…」

私はそっとセバスチャンから離れた。

c「何でもなくはないだろう。」

s「坊っちゃん、エリザベス様はどうなさいました?」

c「帰らせた。」

s「そうですか。よく大人しく帰られましたね。」

c「そんなことはどうでもいい。何をしてたんだ。答えろ。」

「…何も、ありません…」

c「…来い!」

私はシエル様に腕を掴まれ、引きずられるようにして連れて行かれる。

◆◇◆

ドサッ

「きゃッ!」

シエル様の寝室に連れて来られ、ベッドに投げられる。

「シエル…様…?」

私の顔を見ながら、シエル様が距離を縮めて行く。

c「セバスチャンと何していたのか…答えられないのか…?」

「何もないんです…何もありません…」


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