long story

□参
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「そうか、それは御苦労なことだな。」


こう悪態はついているが私はこの人が嫌いではない。

弱い犬ほどよく吠えるということわざがあるでしょう?


しかしそれを言えば確実にこの隣のSSが黙っているわけ無いので口にはしない。


「探し物とは何だ?フッ、丁度退屈していたのでな、付き合ってやらない事もないぞ?」


今しがた帰ってきて退屈も何も無いでしょう?


「クス。」


「何が可笑しい。」


おや、つい笑いがおもてに、


「いえ、失礼しました。それより探し物の件なんですが、探しているのは私の主人、天草 光様でございます。」


「天草 光?」


凛々蝶様が疑問符を付けると、


「恐らくエレベーターで凛々蝶様と衝突した女性では?」

と御狐神君が補足してくれた。


「そうか。それで、何故彼女は消えたんだ。」


「そこは色々と事情がありまして。」



人間の汚れた事情のおかげで。


二人は何だか納得いかないような顔をしていましたがこれ以上は突っ込まず手を貸してくれることになった。





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