long story

□五
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「ところで天草さん。今日我々がお邪魔することはご存知でしたか?」


僕の問い掛けに彼女は今度首を横に振って答えた。


どういうことでしょうか。


僕と凛々蝶様が顔を合わせていると並木さんがキッチンから出てきて説明をしてくれた。


「すみません。先程まで光様はお休みになられていたので伝え損ねてしまったのですよ。」


成る程、そういうことでしたか。


「この時間まで寝ているとは、君も大した堕落生活を満喫しているみたいじゃないか。」


フイッと顔は背けていらっしゃいますが、凛々蝶様、お顔が後悔の色で一杯ですよ。


「それはお休み中に申し訳ありませんでした。」


「いえいえ、御狐神君。誘ったのは私です。光様もこの時間から眠ってしまっては夜また寝付きにくくなってしまいますからね。調度良かったですよ。」


「そうでしたか。」


すると並木さんは今度僕を手招きして、


「御狐神君、此方に来て紅茶の準備を手伝って下さい。」


と言い残しキッチンへ消えてしまった。

僕も手を貸すべく腰を上げ、凛々蝶様と天草さんを残し、ひとまずその場から離れた。




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