long story

□七
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というかこれは私について話しているんだよな?私の意見は無視か。


「凛々蝶様、そろそろ、」


「あ、ああ、分かってる。」


凛々蝶も他の人達も送り兼ねて皆学校へ行ってしまった。


ラウンジに残ってるのは私と並木と夏目。



「で?夏目、救済の手とは具体的に何をするのです?」


先程のガヤガヤとした空間とは一変して物静かなものとなった。その証拠に声がよく通る。


「うふふ〜、そ れ は、」


ドキドキ――……


何だか私まで緊張する。



「それはね〜……




ショッピ〜ング☆」




え……?


思ったより普通すぎる提案に私も並木もキョトンとしていた。


ショ、ショッピング……?



「ひかたん、ここに来てから外出とかしてないでしょ?だから必需品とか揃えてないだろうし〜ついでにってね☆」


「しかしショッピングと言っても、物を買う事が人見知り解消と何が関係するんです?」



確かに一理ある。


「だ〜か〜ら、ね☆」


じゃん、と何処からか紙芝居を持ち出して説明をし始めた。


「ずっと人から隔離されて生きてきたひかたんは人前に立つことには慣れていません〜。」


紙芝居には私と思われるウサギが一室に引きこもっている絵が描かれていた。


そうだ。
しかしこの人、本当に視えているんだな。


「でもなんとある日何らかの理由で家を追い出されてしまいました〜。」


紙芝居が続く。


ああ、そうだ。私は彼処を追い出されたんだ。何故なら……









何故なら?





何故だ?






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