long story
□七
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「そういえば、」
朝食も食べ終え、皆が食器を下げているなか凛々蝶が私の元へやって来た。
「光は今日学校へは行かないのか?」
学校……?
確かに。あの家を出たんだから今まで通り自室で勉学に励むわけにはいかない。
しかしそういった手続きのことは何も聞いていない。
答えが見つからず困り果てた私は並木の方を見た。
するとその視線に気付いてか、並木はやっている作業を一旦中断し、此方へやって来た。
「どうかなさいました?」
「………学校。」
その単語を聞くと並木はすべてを把握したようで「ああ、」と言い、続けた。
「もう既に学校の方の手続きはしてあるのですが、」
私を一瞥する。
「光様はまだ人の中、言わばコミュニティーの中で生活をするに慣れていません。ですので大変勝手ながら入学の方は一週間後という形を取らせて頂きました。」
なるほど納得。しかし、一週間やそこらで15年分のブランクが埋まるとは思わないんだが。
「その通り〜☆」
「!?」
心の中で呟いていると再びそれを拾い上げてきたこの男、
「ひかたん久しぶりだね〜☆」
夏目。