おとしもの
□9.咲く花の色
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◗それから・・
小羽とは、
同じ東京に住むようになってからも、以前と同じようにLINEをする。
もちろん、彼女のほうが学校やら部活やらで忙しいため東京へ住み始めてからはまだゆっくり会うことが出来ていない。
今日はストバス
どうだった?
楽しかったよ。
これで青峰は
しばらく参加できない
かもしれないな。
そうだね。
アメリカだと毎年は
帰れないかも・・
大学はいつからはじまるの?
4月1日が入学式だ。
準備するものは
そんなにないから
忙しくはないよ。
レオさんから連絡
きて、ご飯行こう
って言ってたよ!
今週金曜日どう?って。
大丈夫だよ。
俺からも連絡して
おくよ。
おk(^▽^)/
「ちょっとーー!!
せいちゃんっ、小羽ちゃんと付き合ってるって本当なの!?」
「小羽から聞いたのかい?」
「まあね。でもよかったわねっ♡
せいちゃん。」
大学へ入って、益々レオはつやっぽく磨きがかかり、今や大学でも人気なのだとか。
レオと小太郎とは学部は違えど大学も同じだ。
進学先の大学は、学力的にもレベルは高いが、バスケも強豪過去にはプロに行った者もいる。
「食事の話、小太郎にも永吉にも声かけておいたからね。
小羽ちゃん、ちゃんと連れてきて私たちに紹介してね。
せいちゃんの彼女として!」
「あぁ、わかったよ。
皆に宜しく。」
「はーい、じゃあまたね♥」
レオとのやり取りはこんな感じだ。
永吉を見て、小羽が怖がらなければいいのだけれど。
そんなことを考えながら、その夜、小羽とレオたちと食事に行く日の事を思った。
・・・🐈・・・🐈・・・🐈
「せいちゃん、小羽ちゃん、お久しぶり!」
オシャレなイタリアンのレストランで、少し早く来ていたレオが出迎えてくれていた。
「やあレオ、久しぶりだね。」
「レオさんこんばんは。」
春が近づいてきたとはいえ、3月。
まだまだ寒い日が続いていて、ましてや夜だとかなり冷え込む。
そんな時間に、軽めのコートを着たせいちゃんと制服姿の##NAMA1##ちゃんは、まさにカップルっぽい。
なんと聞けば今日が、学校帰り初デートなんだそうだ。あぁ、初々しくて少し恥ずかし気に話す小羽ちゃんが、たまらなく可愛いわ💛
「あっと・・!ごめんなさい。つい二人に見とれてしまってたわ。」
テーブルに案内して、注文をする前にまずは紹介。
「小羽、紹介するよ。
小太郎は会ったことがあるね。」
「よっ!久しぶり、小羽ちゃん。
俺の事覚えてる?あの時は、差し入れとかいろいろありがとうな!」
「お久しぶりです。葉山さん」
あの時、とは・・
選抜のバスケチームの練習試合の事。
小太郎は、ちょっと軽い感じはするが後輩の面倒見はいい方だし、きっと小羽も気に入るだろう。
問題は、もう一人・・
「よお!おれは根武谷永吉。
190センチ96キロ、PFだ。」
「ちょっとちょっと!永吉〜!
なんなのよその自己紹介は!!
小羽ちゃんは今日はマネージャーじゃないのよ?
ごめんなさいね。こいつ、バスケと食事のことしか頭になくって。」
「根武谷さんのことは知っていますよ。
去年のインターハイの時はすごかったですよね。」
そう言って嬉しそうに笑う小羽は、そこにいた全員の心を魅了した。
大きい奴の心をつかむ何かを持っているのか、紫原に続き、永吉も小羽のことをえらく気に入ってしまい、楽しそうに話し込んだ。
「永吉。
あんまり小羽ちゃんと仲良くすると、ほら、せいちゃんが怒るわよ?」
「怒ってなんかいないさ。
気にしなくていい。俺の友人と小羽が仲良くなってくれるのは嬉しいよ。」
なぜかいつもノリのいい小太郎が、少し口数も少なくて固まっている。
なんだ?
もう俺は洛山のときに一緒にチームだったキャプテンでもなければ、小太郎やレオや永吉とは先輩後輩でもあり、元チームメイトでもあり、友人だと思っているのだが。
「私も、洛山にいたすごい方たちとこうしてお話しできて、本当に嬉しいです。
ね、せいくん、今度黛さんも紹介してほしいな。」
「小羽ちゃん、黛さんは大阪の大学よ。
それにあの人、結構人見知りだからどうかしら。」
レオが、黛さんのことを説明した。
黛さんとは、2年前黛さんが卒業してから、一度も会っていない。
どうやら、大学へ入ってからはバスケはやっていないらしい。
「うおーい!パスタきたぞー!!
うまそーだな!」
「あんた、ひとりで何人前頼んだのよ!?」
「す、すごい量ですね・・!」
「あー気にしなくていいからね、小羽ちゃん。あいついつもすごいから、こっちはこっちで食べよっか。」
「きたわよー、トマトクリームパスタとピザ〜」
賑やかで、楽しい夜は話が絶えることはなく、いつまでも続いた。