おとしもの

□1.紫のスマホ
4ページ/7ページ





”小羽”とは、時々メールをするようになった。





メールが来たかと思えば、他愛もない話だったり、そのあとしばらく連絡がなかったり・・

俺も忙しい毎日を過ごしていたため、
ちょうど良いペースで、気負いすることなくメールを続けられた。






        あの、LINEのお名前が
        Seiって
        なってるんですが・・

        せいくんって
        呼んでいいですか?


    


    
    いいよ。
    
    でも くんって歳では
    ないかもしれないよ?





         え・・・・。
         そうなの!?





    さあね。



         むむ
         (●`ω´●)
         
    


小羽は、俺の名前も年齢も住んでいるところや学生なのか、社会人なのか、
聴くことはなかった。


俺も彼女のことを、詮索するつもりはないし、
むしろそこまでの興味はなかったのかもしれない。



ときどき、学校のこと、家のこと、バスケのこと、
小羽とのメールは、そんな日常をただただ会話するメールだった。











         



☆☆.☆.。.:*・.☆.。.:*・゜゜













「おはよう。」

「おはようお兄ちゃん。」


歯磨きをしようと自室から廊下に出たところで、試合に行く準備のできたテツヤが部屋から出てきた。


「小羽は今日も応援に来ますか?」


「うん、行ってもいい?

最近バスケの試合みるのが楽しくって。」





「帰りは暗くなるし、気をつけて下さいね。」



「うん、わかった。

 お兄ちゃん、試合頑張ってね。」





はい、と言ってニッコリと笑うと、テツヤは階段を下りていった。



兄の調子は今日もよさそうだ。









          せいくん、

          今日もバスケの試合を
          観に行きます。
          ちょっとずつルールが
          解ってきたかも♪



    
    へえ、
    この間は女子のも観に
    行ったって言ってたね。
    




          女子のも面白かった
          けど、男子の迫力には
          敵わないね。




    部活とかやってないの?





          今はやってません。

          前の学校では、
          ピアノをやっていて
          部活をやる時間が
          なかったから。

           
          


    俺もピアノをやっていたよ。
    昔だけど。




          (゚o゚;;そうなんだ!







せいくんは、いろんな事を出来るっぽい。
他趣味なのか、それとも器用なのか?

私にはないものを持ってる人だってことは、解った。

          
    
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ