おとしもの
□4.高校入学
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せいくん、
バスケ部入っちゃった
へえ、
マネージャーやるのかい?
うん、
高校のバスケ、
すごいよ!
そういえば、
小羽の携帯拾ったのも
高校のバスケの
大会だったね。
うんうん♪
あっ・・
どうしたんだい?
せいくんに
歳ばらしちゃったよ。
はは、
もう知ってたよ。
そっか。
バレてた?
小羽らしいね。
マネージャー失敗しないよう
頑張るんだよ。
はーい"(-""-)"
携帯の画面をオフにして、
勉強机に座った。
明日から、本格的に部活に参加だ。
準備するものを書き出して、それから手早く宿題を終わらせると、早めに布団に入った。
〜〜〜☆=〜〜〜☆=〜〜〜☆=
「おはようございます。」
「あれ!?
君1年のマネージャー入部の子、だよね。」
体育館に一番に来たのは、3年のキャプテン、高尾先輩だった。
キャプテンで3年生なのに、ほかの部員よりも早くくるところあたり、やっぱりすごい先輩なんだろうな。
次いで入ってきたのは、背の高くてすごくうまい緑間先輩。
二人はいつも一緒にいるし、仲がいい。
「体育館が開いてるし、電気がついているからびっくりしたよ。
しかも、ゴールもおろしてあるし、ボールもだしてあるじゃん。
すげーな、七原ちゃん!」
「あとは準備しておくもの、ありますか?」
「いや、朝はこれでいいよ。
ね、七原ちゃんてさ、どこの中学でマネやってたの?」
高尾先輩が、興味深げに聞いてきた。
キャプテンなのに、意外と人懐っこくて気さくで話しやすい先輩だ。
「はい、帝光中学です。」
「帝光!?
シンチャンと一緒じゃん!」
「え、そうなんですか?」
シンチャンと呼ばれている、緑間先輩のほうを振り向くと、知らない、といった風にこちらを眺めている。
「緑間先輩が卒業してから、わたし転入したので、お互い知らないと思います。」
「そうなんだ。
七原ちゃん可愛いから、結構目立ちそうじゃんね。
帝光のマネだったんなら、この仕事ぶりも納得!」
そういうと、高尾先輩はボールを一個取り出して緑間先輩に投げた。
「七原、なん軍のマネをやっていたのだよ?」
「3年になってからは1軍を、それまでは2軍のマネージャーでした。」
「そうか・・・。」
緑間先輩は、テーピングぐるぐる巻きの指で高尾先輩からのボールを受け取ると、ずいぶん遠いゴールに向けて、きれいなシュートフォームでボールを投げた。
ボールは、大きく弧を描いて、一番遠いゴールに向かって落ちていき、網にこすれるようなきれいな音だけを残して、床に落ちた。
「わ、・・す、すごいっ」
「でしょ?
これが秀徳バスケ部の七不思議、シンチャンのスーパーシュートでーす。」
思わず、口をあけて見入ってしまった。
すごい、すごい、きっとインターハイだって勝てる。
高校は中学よりも層が厚くて、なかなか勝ち上がるのは難しい。
こんなチームのマネージャーができるなんて、こんなうれしいことはない。
そうしているうちに、次々と選手たちが朝練にやってきた。