おとしもの

□5.夏・合宿!
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□合宿へ向かう空港で・・




「お久しぶりです。緑間くん。」



「黒子・・インターハイで会っただろう。」



少々不機嫌そうな緑間くんを見て、隣にいる小羽は笑っている。
そんな小羽を見ても、緑間くんが怒ったりすることもなく、どちらかというと少しだけ機嫌が直ってきているような気さえするのだ。

きっと、秀徳でもうまくやっているんだろうなということは、自分の目でみて確認できた。



「小羽、アレは持ってきたか?」


「はい、ちゃんと高尾先輩から預かってきましたよ。」





手持ちのバックからごそごそと何かを取り出すと、それはスルメだった。



「スルメ・・ですか。」


「今日の緑間先輩のラッキーアイテムだって!」




「相変わらずですね。緑間くん・・。」



袋に入っているので、空港まで来る車の中でもにおうことはなかったが、こんなかさばるものを持ってきていたとは知らなかった。




「・・小羽のバックは、何が入っているんですか・・・?ちょっと心配になってきました。」



「ちゃんと緑間先輩のテーピングも持ってきていますよ。」




あぁ・・やっぱり。
きっと、自分の荷物もだけど
みんなに使える、いろいろなものがたくさん入っているのだろう。
たぶん、従兄である自分のためのものも。






「お待たせッスーーー!
小羽っちーーーー」



「テツくーーーーん💛!!」


「おはようございます。」



桃井さんは相変わらず、です。
勢いよく飛びついてくるところも、まったく変わらず・・
いつになったら青峰くんの気持ちに気付くのだろうと、心配になってきます。
もしかして、ずっと幼馴染でいるつもりなんですかね。あの二人は・・・


桃井さんが、僕に飛びついたのをいいことに、黄瀬くんが小羽にどさくさに紛れて抱き着こうとしたので、そこはしっかり邪魔させてもらった。



「ちょっとちょっと!

黒子っちーー!」





「こんなところで、小羽に触らないでください。」



「黒子っち、ひどいッスよ〜」




びーびーと騒いで見せるも、すぐに小羽のそばへ行って、なにやら楽しそうに話している。
その横で、せっかく機嫌をよくしかけた緑間くんがまた文句を言い始めてる。


青峰くんは、大あくびでスーツケースを引きずってるし、




いつものキセキのメンバー・・ですね。







秋田の紫原くんと、京都の赤司くん、
そのほか関東地方以外からくる選手たちは、現地で合流となる。



「小羽は、紫原くんと赤司くんは初めてですか?」



「うん。近くでプレイを見るのがすごく楽しみだなー♪」




紫原くんと小羽は仲良くなれそうな気がする。
お菓子の話とかで・・

赤司くんも女の子にも、ちゃんと優しいからきっと大丈夫だろう。





問題は、やっぱり黄瀬くんでしょうか。
夜、部屋に帰ってからは特に気を付けないと。小羽の部屋なんかに間違っても忍び込まないように。




「ねえねえ小羽っち!
今夜は決起会ッスよね、夜小羽っちの部屋に遊びに行っていいッスか?」



「だ、だめですよっ!」


顔を赤くして断る小羽を、可愛いと思いつつもこれから10日間・・先が思いやられる。







「「黄瀬くん、絶対いかせませんよ」いかせないのだよ!」







よかった。

此処にもうひとり、見張り役がいました。







関東組が全員揃ったところで、飛行機に乗って、合宿地の北海道へ向かった。
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