おとしもの

□7.冬のおくりもの
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□12月20日の誕生日






今日は誕生日だが、学校は今日から冬休み。
ここ2・3日寒い日が続いていて、朝の体育館はとても冷え込んでいる。
もちろん、学校は冬休みでもウインターカップ目前で、部活はいつも通りあるから学校へは来るのだが、この冬休みに朝の6時に学校へ来るものはいない。


京都の家から学校までは、そう遠くはないが電車を使う。父には反対されたが、さすがに高校生で送迎はみっともない気がするからだ。
電車くらいは乗りなれておかなくては、部で動くときなど困るだろう。



学校を目前に、まだ暗い道を歩きながら空を見上げた。


その時、不意にメール音が鳴った。







♪♩🎶♬〜

  


  おはようございます。
  寝ていたらすみませんm(__)m

  お誕生日おめでとう!!
  せいくんには
  朝日をプレゼントです!





  写真1





  たった今撮ったんだよ。
  私の家の近くの公園から♬








朝日はやっぱり東京のほうが先なんだな。
ふとそう思って、今自分のいる空と写メとを比べた。
とてもきれいで、透き通るような冬の空。
あっちは天気もよさそうだ。





          ありがとう。
          もう起きてるよ。

          今ちょうど、
          電車から降りて
          歩いていたところだ


          プレゼントも
          とても気に入ったよ。








すごく良い一日になりそうな気がした。
小羽からのプレゼントも、
朝一番の小羽からのメールも、

初めて自分の誕生日を意識した出来事で、
新鮮だった。


今日の練習は気持ちよく行えそうだ。






そして、ウインターカップでは東京へ。

受験を控えているが、きっと皆試合には出るだろう。
小羽はマネージャーとして。



ウインターカップが終われば、
いよいよ受験本番だ。










東京の大学を受験する。




















❄・・・❄・・・❄・・・








『もしもーし♥
せいちゃん、お誕生日おめでとう。』


「やあ、レオ。
久し振りだね。」



『もーせいちゃんの誕生日だもの忘れるわけないでしょ?

ウインターカップもうすぐね。
こっちに帰ってきたら、時間あるんでしょ?
小太郎たちも呼んでおくから、ご飯くらい食べにいきましょう。』




「ああ、もちろん行かせてもらうよ。」




相変わらず、冷静沈着ってカンジのせいちゃん。今日はせいちゃんに誕生日プレゼントな情報をあげようと思って電話をしたのだった。

なにかと人を気遣うところとか、もしかして小羽ちゃんの事も、黄瀬くんに遠慮したりしてないかとか余計な心配したりして。
まぁ、せいちゃんに限ってそんな心配は無用だってのもわかってはいるんだけれど・・





『そういえばね、

この間、小羽ちゃんとメールしたんだけどね・・。』




「小羽と?」




『そう、私たちメル友なのよ?

あ、でも、その変な意味じゃなくって、普通の友達っていうか・・』




「へえ・・。そうなのかい?」





せいちゃんとは久しぶりに話をしたけれど、これは私の失言だったわ・・。
せいちゃん声がコワイわ。






『・・・小羽ちゃん、2月の終わりに、京都であるピアノの演奏会にでるそうよ。

学校の先生の推薦ですって。
せいちゃん、見に行ったらいいじゃないの。』





「・・・ちょうど、卒業式の頃だな。」





『そうね。卒業したら東京へ戻ってくるんでしょう?』




「あぁ、大学は東京の大学を受験するからね。」




大学の名前までは聞かなかったけれど、結構な家柄のせいちゃん。
もしかしたら、後を継ぐために大学はバスケやらないつもりかしら・・。



それからせいちゃんは、なにか考え込んでいるような風に言葉を止めると、丁寧にお礼を言ってじゃあ、と電話を切った。






このまま小羽ちゃんをいつまで待たせるつもりなのよ、もうっ!
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