舞姫
□B.熾熱燈(しねつとう)
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「チッ・・太宰か。」
「やあ、ちょっと聞きたいことがあってね。」
以前、安吾と一緒に乗った車に、正体不明の車が突っ込んできて事故にあったため、今回は車ではなく電車の駅の近くで元の相棒を呼び出して会った。
「もしかして、ボスのお姫様の話か?」
「さすが中也。
そう、その姫君の事で聞きたいことがある。」
中也とは、普段から連絡を取っているわけではないし、ポートマフィアの人間だ。連絡を取って会うことなど、容易なことではない。
「彼女さ、一体どんな異能力を持っているんだい?」
「知る訳ないだろう。そんなトップシークレット。
そんなの、ボスの異能力より知られてないと思うぜ。」
「そうかぁ。じゃあ、あのポートマフィアの資料庫にでも行けば、解るのかな?」
「その件は俺は何もしらねぇ。
ただ、芥川はもしかしたら知ってるかもしれねえな。」
中也は嫌そうな顔をしつつそう言うと、二人のすぐ横に乗り付けた迎えの車に乗り込んだ。
うしろの座席に座ると、ドアを閉める前に太宰に向かってもう一言、思い出したかのように発した。
「舞姫は、芥川のだ。
たしか、ボスが前にあいつに舞姫を与えたと聞いた。噂だがな。」
ばたんとドアを閉じると、車はすぐに出されてそこには太宰一人だけになった。
与えた、とは。
下賜のようなものか。
そうすると、時々舞姫の下校時、芥川くんが迎えに行き一緒に居る理由も納得できる。
それなのに、なぜ森さんは彼女を探偵社の社員にさせようとしているのだろうか。
彼女に何がある?
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銀ちゃんから見た・・
学校での舞姫さまは、
すごく明るくて人気者だ。
成績は必ず学年順位20位以内。
今年のミスコンでは3年生を抜いて、優勝。
毎日男子たちの誘いを断り、
幸田に妬みを向ける男子が増えていく。
好きなものは、ミルクティーとタルト。
それから猫と可愛い色のペンがお気に入り。
苦手なものは、エビとG(ゴキブリ)と梶井さん。あと体育が苦手。球技は好きそうなのに上手くない。
そして、寂しがり屋の甘え上手。
「銀ちゃん。
これこれ、ここのケーキおいしそうだねぇ。
今度買ってくるから、銀ちゃんのお部屋遊びに行ってもいい?」
「もちろんです。」
「やったあ💛じゃあお泊りは?
お泊りしたいな〜」
人懐っこい猫のように、嬉しそうに尻尾を振って喜ぶ。
でもそれが、美少女ゆえにとても可愛くてさらにファンを増やすことになる。
そしてそれは、私と幸田の後の仕事(しつこい求愛者を追い払う)になるのだ。
それから、やっぱりそのおねだりに喜んで承諾してしまう。
その時の顔と言ったら、頬を赤く染めて嬉しそうに笑うもんだから、こちらが照れて赤面して彼女に捕らわれてしまうのだ。
「お、お泊り会・・しましょう///」
「わ〜い!銀ちゃんだい好き💛」
抱き着くのは、やめてください。
そんなに可愛いことをされると、わたしの顔が赤くなってしまいます。
本当に、人を喜ばすのも惹きつけるのも
上手でいらっしゃる。
兄が、彼女を大切にするのが、
今すごくよくわかります・・・
銀