小説

□運命×人生
1ページ/4ページ



人は何かにハマると簡単には抜け出せなくなる。
それは一部の人間だけで私には関係がないと思っていた。そうそれは今もこれからも変わらない―――……


――六月の中旬
「はぁっ!!??」
昼休みに一人の少女の驚きの声が響いた。「ちょっそんな大声出さないでよ!!」その少女の隣でほんのり顔を赤く染める少女が口元を緩みながら恥ずかしいと言っている。
「え〜〜琥羽知らなかったの?弥生があいつの事好きだって」
「えっ綾知ってたの?」
綾(あや)と呼ばれた少女は「当然♪」と余裕の笑みでサンドイッチを口に運んでいた。
「んで?誰なの?好きな人っていうのは」私は興味本位で聞いてみる。が「いきなり聞くか?琥羽ちゃん」と顔を赤くしていながらも弥生(やよい)は言う
「琥羽本気で解んないのぉ?あいつだよあいつ」「??」
首を傾げる私をよそに綾はニヤニヤ弥生を見て笑っている。「綾!!琥羽に教えないでよ!!すぐいじめられそうだもん」
「はいはい」「えっ教えてくれないの?弥生の好きな人」
「「うん」」
「ハモんな……」
琥羽は呆れながらも一向に教えてくれない二人を見て
「わかった!!当ててみせるよ!!弥生の好きな人って奴を!!」「おっ言ったなぁ琥羽」「何か恥ずかしくなってきた……」綾は面白くなってきたというような顔で笑っているし、当の本人は恥ずかしいと顔を隠している。
「何かすごい事言っちゃったかな?」
「アホォ」「何か言った?綾」「頑張れって言ったのよ」
キーンコーンカーンコーン……
綾と私が口論しているとチャイムがなった。覚えてろよ!!!と言うかのように琥羽はイスをガッと引いて荒々しく座る。
(…………どうしよう)
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ