短編(書く方)

□名前
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名前



すぐに思い付いたのは
貴方の名前




目の前で藤原君とその友達が話してる。
折角、前後の席になったのに全く話せないでいる。
少しでも近くにいたいから、こうやって次の時間の予習をしながら藤原君達の話しを盗み聞きなんかしてる。

「ていうわけでさ。」
「俺んちおおじろう居るからなぁ…」
「飲食店やってるし…」
「うちは多分無理だな。」
「だよなぁ…誰かいねぇかなぁ」

どうやら土手で捨て犬を見つけたらしい。
(心優しい)藤原君は飼い主探しをしてるみたいだ。
帰り、土手に行ってみよう。


捨て犬はすぐに見つかった。まだ子犬で、愛くるしい顔をしていた。
しゃがみ込んで頭を撫でる。
「お腹すいてない?」
途中コンビニで買ったジャーキーをあげる。
子犬はおいしそうに食べてくれる。
こんな一時だけですっかり私は子犬の虜になってしまった。

「音斗葉?」
「へ?あ…」
藤原君がコンビニの袋を持って立っていた。
「音斗葉も知ってたんだ。」
「え、あ、うん。」
話を聞いてたなんて言えるわけない。
「そっか。」
「あの、餌…」
「あぁ、これ?まぁいいや。ヒロにでもあげるし。音斗葉こいつ飼ってやれねぇかな?」
「えーと…」
親に聞いてみないと分かんない。
だけど藤原君が困ってるなら(困ってないかもだけど)そんなの関係ない。
「よし。私が飼う!」
「マジ?」
「うん。」
「良かったな、オマエ。」

そんなわけで私は子犬を連れて家に帰った。
案の定親には帰して来いと言われたけど、強く押したら飼ってもいいと言ってくれた。
こんなに簡単にいくとは思わなかったけど。

さて、名前はどうしようか…
*******

「で、音斗葉が飼ってくれんだって。」
「良かったねー!あ、音斗葉さんおはよ!」
「お、おはよう」
「なー、音斗葉。名前何にしたの?」
「え"…」


まさか藤原君からとって"藤"なんて言えっこない。


―――――――――――――LINER*NOTES
藤君へ片思いネタです。
ペットに片思いの相手の名前付けるって正直気持ち悪いですけど(笑)付けたくなっちゃう気持ち、分かるんですよね(笑)

てなわけで出来たお話でした。
めっせーじ/##ENQ1##


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