短編(書く方)

□禅問答的恋愛
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禅問答的恋愛



「安心するのが怖いなら別れろよ」
なんて
簡単に言われてしまったならば。



「藤さぁ」

「ん?」

「昔『長年連れ添ってようやく結婚なんて嫌だ』って言ってたじゃん?」

「あぁ…なんか言ったかな。そういう事も。」

「ならお前、紅ちゃんと何年付き合ってんの。」

それは友人なりのアドバイスというか激励だったのだろうけど。

昔はずっと一緒にいたらその大切さが当たり前になるんじゃないかと思っていた。
それが怖かった。

確か紅にもそんな事を言った気がする。


「なら、メンバーの皆はどうなるの?
幼馴染みなんでしょ?」

「そうなるよな…」

「私は、藤君のその優しさが心配。
繊細で今にも壊れてしまいそう。」

そう言ってそっと抱き締めてくれたあのぬくもりを思い出した。


携帯を出して紅に電話する。
長いコール音の後紅が出た。

『もしもし?』

「あ、紅?久しぶり。」

『本当、久しぶり。仕事終わったの?』

「うーん…まだちょっと作業が残ってるけど大方終わりかな。」

『そっか。体には気をつけてね。
今日はどうしたの?』

「なんとなく、声が聞きたくなって。
それから、もしかしたらメジャーデビュー出来るかもしれないんだ。」

『ホント!?おめでとう!!』

「やっと紅を迎えに行ける。」

そうしてようやく
俺はしたためた言葉を伝えるんだ。

『うれしい』

初めての"一緒に"を伝えよう。

だからその時まで

「『元気でね。』」


―――――――――――――LINER*NOTES
流れがおかしいです。

このネタはいつか長編にと思って書いたとこもあるので、その時綺麗に仕上げたいと思います。
めっせーじ/##ENQ1##


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