短編(書く方)

□青春を謳う
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青春を謳う



君といるその時間が
青春。



「ごめんね。」

「何が?」

「え。だから、私が、課題終わって無くて…その、」

「グループなんだし。
音斗葉休んでたし。
何にも謝ること無いじゃん。」

「…ごめん。」

グループでテーマを決めて研究等をし、レポートを提出するという課題だった。
本当は昨日提出だったのだけれど、学校を休んでしまい実験に参加出来なかった私はこうして藤原君にレポートを手伝ってもらっている。

「…バンド」

練習行きたいはずなのに。

「練習、」

「いいって。」

放課後、教室の隅2人で向かい合って1つのことをしている。
私はこの時間が終わらなきゃいいのにって思ってる。
藤原君は早く帰りたいんだろうけど。

顔を上げたら藤原君は窓の外を眺めていた。
綺麗な横顔が夕日で赤く染まっている。

「こういうのってさ、」

「へっ!?」

「期待しちゃうよね。」

「え?」

目が合う。
あぁもう、好きだなぁ。
この目もさらさらな髪も、頬杖をつく手も、少しラフに着こなした制服も、そこから見える鎖骨も、首筋も、声も何もかも。

気にしないようにしてたのに、意識しちゃってる。

先に藤原君に視線を外されて意識してたことが恥ずかしくなった。

シャーペンでサラサラと字を書く。

まつ毛綺麗だなぁ。

「なんかさ、良くあるじゃん。
放課後、夕日、教室…」

また窓の外に視線をやって

「…キス、とかあんじゃん。」

今度は真っ直ぐ、本当に真っ直ぐ視線があった。

「キスしていい?」



重なりあった影を誰か見ていただろうか。
でも何よりも藤原君の髪が女子より良い匂いだったのが悔しいなぁ。



「毎日、音斗葉が課題やってなきゃいいのに。」

「ふ、藤原君がやってなきゃいいんだよ…」

「ふふふ。じゃあ本当にやんないよ?」

「え"っ」

藤原君ならホントにやってこなさそうだ。

「えー、と、それは、多分っ、多分っ、内申とかさっ」

慌てる私を見て満足げに笑う。

これが捕まった弱みってやつかもしれない。

残った温もりに触れて、顔が熱くなるのを感じた。


―――――――――――――LINER*NOTES
久しぶりに甘い感じです。(多分)

(〇ンターハ〇ター風に)放課後×夕日×居残りってすごく青春だと思うのです。

でも相当確信と自信がないとダメだろな(笑)
めっせーじ/##ENQ1##


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