短編(書く方)

□みぃちゃん はぁちゃん
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みぃちゃん はぁちゃん



理想のタイプ?
そんなのもちろん…



「それ、器物損害とかになるんじゃねぇの。」
「ふ、藤原さん…こんばんは…」

薬局でバイトを始めて約1ヶ月。

私は兼ねてからの計画を実行。

午後10時
シフトチェンジの為出勤してきた藤原氏に目撃される。

かくて私の計画は未遂に終ろうとしている。

「お願いしますっ!!どーかこの通りっ!!」
「お願いとかって言われても、俺には関係ないから好きにしたらいいけど、」
「か、神様っ!」
「店長にはなんて言う?多分防犯カメラでバレるけど。」
「私はこの為にバイト頑張ったんですよ!?」
「なんていうの、…ミーハー?あとそれ、すげぇ自己的。」
「うぅ…グッバイ、キムタク」

私が薬局をバイト先に選んだ理由はキムタクのポスターを手に入れる為。

だけどそれは叶いそうにない。



「…ポスター…」
「まだいたの。仕事の邪魔なんだけど。」
「どうせお客さんなんかこないですよ。それより藤原さんが来たから計画失敗です。」
「だから好きにしたらいいってば。多分犯罪だけど。」
「…冷たい。藤原さんって冷たいです。」
「…。」

よくあるよね。
アイスクリーム屋さんに勤めたら毎日食べれるとか言う小さい子の盲信。
今の私はまさにその状態の成れの果て。

「藤原さんに分かります?届かないものに手を伸ばしてる気持ち。」
「それがキムタクへの気持ち?」
「そうです。いくら手を伸ばしてもダメなんです。届くわけないんです。」
「もう決めちゃったんだ。届くわけないって。」
「だって、」
「掴みたいなら食らい付かないと。そんなセリフ、頑張ってないヤツが言うもんだ。
俺には分かんないね。
手を伸ばして足掻いて、ぜってー掴んでやるって、食らい付いてやるって思ってっから。」

素敵だと、思った。
意思の強さの輝きを見た気がした。




「あ、こんばんはー」
「…ども。あ、店長がポスター貼り替えるとか言ってたからもらえば?」
「…」

私はキムタクのポスターをしげしげと見た。

「もう、いいの。あっ努力しないんじゃないですよ?努力の対象が変わったんです。」
「へぇ。次は誰?中居クン?」
「…」
「ま、誰でも俺には関係なんか、」
「写真、欲しいんですケド。藤原さんの。」
「はい…?」

これからはonly you!


―――――――――――――LINER*NOTES
以前は短編が得意だったのに、最近は苦手です。
1ページに納められなくて最終中編になったり長編ネタに回されます。

このネタは『得手不得手』より前に書き始めたんだけどなぁ。
めっせーじ/##ENQ1##


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