短編(書く方)

□君宇宙論理
1ページ/1ページ

君宇宙論理



気持ちが加速して
もう止められない
でも知らないふりをする
なんて不器用。



「ふ、じわらくん、これ分かる?」
「どれ?あぁ、これか。これは…」

窓際の一番後ろの席で話をする2人を見て呟いた。

「音斗葉って藤くんとどういう関係?」
「嫉妬?」
「ちがうけど!あれ、絶対好きだよなー。」
「そっかぁ?こないだ女子たちにからかわれてたけど、違うってゆってたよ?」

ふーん、と不服そうに唸っただけで、それ以上チャマは何も言わなかった。

(でもなぁ、明らかにきょどってるし…)

それから何日か経って、チャマと紅に日直当番が回ってきた。

日直の仕事で一番めんどくさいのがたまにふっかけられる準備室の掃除。
先生の気まぐれなので、当たったときは運が悪かったと思うしかない。

そして2人は運悪く当たってしまった。

「やー…運がなかったねぇ。」
「あの先生ちょー怖えんだけど!」
「それは直井くんがこないだイタズラしたからでしょ?」

くすっと笑ったその姿は自然体で藤くんに向けられるものとはやっぱり違う。

「音斗葉ってさ、藤くんのこと好きなの?」
「はっ?!なんで!そんなわけないって!」
「いやでもさぁ、絶対好きでしょ。」
「ないない!だいたいそんな喋んないし。業務連絡ぐらいだよ。」

業務連絡とは彼女の中では連絡事項の伝達を指すらしい。

「なに、直井くんまでそんなこと言うの?」
「そういうんじゃないけど…」

彼女はなんとも思ってない、そもそも向こうも私のことなんて気にも留めてないでしょ、の一点張り。
ツンデレ…いやいや、ただのツンツン?

「…でも音斗葉さっきからにやついてるよ?」
「え゛!」

やっぱり図星なんじゃないの?
その言葉は飲み込んで彼女の反論を受け止める。

意地っ張りなお二人なのね。
こっちがダメならあっちをつつくか…

***************************

昨日チャマに散々からかわれた。

音斗葉が俺のこと好きだとか、俺もアイツのことを好きなんじゃないかとか。

確かに俺ら4人の中じゃ鋭い、というか恋愛に厳しいヤツだけど、そんなわけない。

だいたい喋ったことなんか数回しかないし、接点なんてない。

あ、こっち見た。

なに、やっぱ好きなの?

ていうか期待してる俺ってなんかキモくない?

いやいやいや。

ないでしょ。

考え事をしていたら音斗葉がからかわれている声がする。

ほらさ、本人の前でからかうわけないじゃん。

やっぱ俺のことじゃないよ。

いや、でもこないだのあの反応はさ…

あぁ…めんどくさい!
なんで俺がこんなに悩まなくちゃいけないんだよ!

でも確かにちょいちょい音斗葉のこと見てしまうけども!

それは視線を感じるからで!

「…お、悩める青春かぁ?」
「ちょっ!聞いてくれる?!」
「お、おぅ…」

モヤモヤしていたところにやってきた秀ちゃんをとっ捕まえた。

「…と、いうわけなんだ、け、ど、も…」
「いや、絶対好きっしょ。」
「いやいやいや。」
「なんだよ、自分から聞いといて。」
「いや、だってさぁ」
「じゃあ自分から聞いてみたら?」

***************************

自分で聞いてみる…ねぇ…

それ、告白なんじゃねぇの?

そんなことを考えながら歩いていると、目の前に姿を見つける。

「音斗葉ー」
「ひぃっ!!!!」

ひぃ!って…

「なに、俺そんな怖い?」
「や、あの違うけど、びっくりしたからというか…」
「ふーん。」
「…」
「…」
「…どしたの?」

あれ、なんで俺呼び止めたんだっけ?
考え込んでいたら、先に沈黙を破ったのは音斗葉の方だった。

「手、震えてる?」
「うぇっ?!」
「うぇ?」
「あのさ、ふ、藤原くん!本当に!なんていうか加減分かんないから!」

それって、ドキドキしてくれてるとかそういう話?

「あー俺の事好きなんだ?」
「!!」

彼女はパクパクと酸素不足の金魚のような顔をする。
なんか、いじめたくなるんだけど。

真面目な音斗葉のことだから頭の中でこれは冗談なのか本気なのか、って考えてるに違いない。

ちょっとずつ距離を狭めていけば、段々と音斗葉の背が反っていく。

「あの、藤原くん、?」
「ねぇ、好き?」

高身長を生かしてさらに詰め寄ってみる。
なんか俺危ない人?
にしても音斗葉小せーなぁ。

「ちょ、え?…からかってる?」

あ、やっぱりそう思ってたんだ。

「少し。でも俺好きだよ。音斗葉のこと。」

耳元で囁けば彼女はホントに顔が真っ赤になった。
いや、ほんのりとかじゃなくて。

「近い!!ち、近いよ!!!!」
「じゃあ返事、頂戴?」
「返事?」
「俺のこと好き?」

急に体が傾いて、額にはすごい衝撃。

「ぃ゛って!!!」

すぐそこに音斗葉の綺麗な目が見える。

どうやら胸倉を捕まれて、頭突きをされたみたいだ。

「…教えてあーげない」

多分あれは彼女の中で精一杯の反応。

「顔、赤いじゃん。」
「うるさいっ」

当分退屈しそうにないな、と心のどこかで明日を楽しみにしている自分を見つけた。



―――――――――――――LINER*NOTES
ごめんなさい・・・
支離滅裂…!しかもこんなませた高校生ヤダ!!!

Sな藤くんてことで、「好きなんだ?」的なセリフを言わせたかったり詰め寄ったりさせたかったんですが、なんていうか…こう、もう短編じゃないし。

一度書いて、読み直したらいけるかもって思って書いたけれど…やっぱり…

精進しまっす…
めっせーじ/##ENQ1##


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]