ゆるふわDays
□2日目
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「山本さんひったくり事件だ」
…………………………
………………
『…………は?』
一同、ぽかーんと口を開けた。山本って誰よ。誰なんだよ。
「山本さんって………まさか、」
神童だけは驚愕の表情をする。
それに答える様に、誉は神妙に頷き、
「この子が…………山本さん……」
指を指した先は…………
『ぬいぐるみいいいいいいいいい!!!!!?????』
そう、誉が指したのは、彼女がずっと抱き締めていた、mg(´・ω・`)と描いてあるぬいぐるみである。
「そういえば、そう呼んでたな」
幼なじみの霧野は思い出したらしい。
「姿を消した日の下校中、たまたま1人で帰っていた誉は、ひったくりにあったんだが、犯人が間違えて鞄ではなく、山本さんをひったくったんだ」
「犯人バカだろ」
「その時、怒りボルテージが頂点に達した誉が……………………………………………………………化身を出したんだ」
『化身!!!!????』
本日何度目かのびっくりである。
「誉が………化身を…!!!???」
「元々才能があったみたいで、怒りでリミッターが振り切れて出せたみたいなんだ」
「………ちゅーか神童家すげえ」
兄は泣き、妹は怒りで化身出すとか、どんだけ感情的なんだ神童家。
「でも、いっつもふわっとしてる誉がぶちギレるってよっぽどだぞ」
霧野が幼なじみの変貌に若干遠い目をする。
「………だって、山本さんは………お兄ちゃんが初めてくれたものなんだもん………」
きゅっ、と、無表情を少し悲しげに歪ませ、口元が隠れる様に山本さんを抱き締めた。
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!////誉/っ!!何て可愛いんだあああああぁぁぁぁ!!!!///」
▽しんどう に
こうか は ばつぐん だ!
感極まった神童が誉に抱きついた。確かに今の動作には、きゅんとくるものがある。実際、雷門イレブンや鬼道らは、胸に手を当てて悶えていた。
『(これが……萌え!!!!)』
なんか違う方向に目覚め始めていた。
「……で、そのまま化身シュートをボール代わりに鞄でやって犯人にぶち当てたんだ」
「誉無双だなオイ!!!」
「さすが俺の誉(ナデナデ)」
「ここまでなら、まだ良かったんだがな………………その光景を偶然聖帝に見つかったんだ」
『はああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!???????』