ぐんそーさんっ!
□一大事であります!
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地球には、沢山の不思議が隠れている。
やれ宇宙人だの、UMAだの、不確かだがこの長い歴史の中で途切れる事無く言い伝えられてきたのは、やはり地球の不思議さの成せる業だろう。
―――――そう、だから、もし[宇宙人]が居ても何ら問題では無いのだ。
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―――――
「これより、帝国学園特殊科緊急会議を開くであります!!」
まるで、大きな会議室の様な広い敷地面積を誇る帝国学園特殊科クラス。
某日某所で、黄緑の髪を揺らしながら、高らかに宣言する。
「えー、議題は一同見当はついていると思うでありますが………
これは我輩達への侮辱でありますかっ!?」
半泣きで叫んだ彼女、―――緑塚ケロノが掴んでいたのは、ひときれの新聞紙。
そこに書かれているのは、
【脅威!謎の宇宙人現る!!!】
―――今、巷を騒がせている自称'宇宙人'の記事だった。
「大声だすな!!」
スパコーン!!!
「Σげろっ!!」
そんな彼女をファイルではたいた赤い少年、赤井ギロロは、ケロノにツッコミを入れつつ、「まあ、それには同意見だが」と呟いた。
「だいたい、僕達こんなだっさい服着ないですぅ―」
写真を指しながらなかなか辛辣なコメントを放つ、黒髪の少年、黒金タママはお菓子を食べながら評価した。
「クークック、………つーかこれ地球人じゃねえか」
どこか陰湿な雰囲気を纏ったグルグル眼鏡の少年、黄籏クルルはどこかつまらなそうに呟く。
「地球侵略など………許さぬでござr「あれ、ドロロいつから居たっけ」……さ、最初からいたのに………」
そう呟いて、全体的に影が薄い少年、薄水ドロロはズーンと落ち込む。
「して、クルル曹長、奴等の調べはついているでありますか?」
その問いに、緩慢な動きで笑みを浮かべる。
「クークック、そんなのとっくの昔に終わってるぜ?………相手は施設の子供だ」
「施設………やっぱりただの地球人か」
「けど、奴等が持ってるモンにちょいと厄介なモンがあるぜ―?」
「厄介なモン……ですか?」
「ああ、
奴等、宇宙の鉱物を所持してやがる」
「「「「!!!!????」」」」
そのセリフに一同目を見開く。
「それって、宇宙へ行く技術を持ってるんですか?」
「いや、そんな技術今の地球には無ぇ」
と、自分は先日自分専用の衛星(アンチバリア付きでバレないやつ)を打ち上げたクルルは地球の技術を否定する。
「恐らく5年前の隕石だろうなあ。何者かが回収しやがったんだよ」
「つまり、その隕石を利用して地球侵略を目論んだ、ということか」
だんだんと、事の輪郭が見えてきた。
「宇宙人の誇りを汚すつもりか!」
「いやー正確にはオレらも地球人ですよギロロ先輩―?」
「でも僕らまで悪いやつらみたいでムカつくですぅ」
「この美しき星を乱されるわけにはいかないでござる」
そんな反応を見て、ケロノは宣言する。
「このままでは、我輩達【元】宇宙人の沽券に関わるのであります!!!」
そう、彼女達は、
「【元】ガマ星雲第58番惑星宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊"ケロノ小隊"の名にかけて、自称宇宙人の好きにはさせないであります!!!」
『お―――!!!!』
――――遠い昔、所謂前世のパラレルワールドで、宇宙人をやっていたのだった。
「相手はサッカーを使う故、我輩達もサッカーで迎え撃つであります!!」
「格好良いです軍曹さんっVv」
「何でサッカーなんだ」
「仕方ねえよギロロ先輩、オレらの居た世界とは勝手が違うからなぁ」
「平和で良いでござる」
一大事であります!
そちらが宇宙人を名乗るなら、それ相応の覚悟を見せるであります!
我輩達はあんなピチピチな服着ないであります!!てゆーか服は着てない………あれ、我輩達の方が教育的に悪い気が……。←ケロン人は基本服着てない。
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