フラグクラッシャー(笑)

□塞翁が馬
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私は自他ともに認める不幸体質だ。


外を歩けば頭上から鳥の排泄物が落ちて来るのは日常茶飯事。


雨上がりの道を歩こうものなら、車によって水溜まりの泥水が襲い掛かる。


階段なんて手摺りに掴まってないと足を滑らせて落ちるし、それでなくとも何もない所で転ぶのは1日に最低でも5回。


学校での授業では毎日のように当てられて、体育で球技の時は脳震盪にいつも冷や冷や(これに関しては私の身体能力のせいも少なからず含まれているから仕方ない)。



物心のつく頃にはこの体質に既に諦めを感じていた。


それに、十数年もこの体質と付き合って生きてきたらそれなりに慣れるというもの。さらにはこの歳にもなると次にどんな不幸が来るのかおおよその把握できて、それを躱す準備さえ出来てしまうのだ。


いやはや、慣れとは恐ろしい…。


















でも、だからと言って何が来ても大丈夫☆ だなんていう強い精神力やポジティブさなんか、決して私は持ち合わせていないんです!!





《あ、いたいた〜。ごぉめんねぇ、来る途中に君のこと落としちゃったみたいで〜》

『……いや、それには慣れてるから良いです。それより…』


目の前に広がるのは一面真っ白の世界。


『此処は何処ですか!!?』




高橋梨緒、齢17にして今までの経験から考えられない最大の不幸に遭いました…!!


そして、初めて本気でこの体質を怨んだ日だった……






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