フラグクラッシャー(笑)

□馬には乗ってみよ 人には沿うてみよ
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『……うー…ん?』


部屋に鳴り響くのは聞き慣れた目覚まし時計の音。
ちなみにこいつは既にめでたくも30台目だったりする(勘違いするといけないから言っておくが、私の力が強すぎて壊したとかじゃない)。


『もう朝……ん? 朝? やば、遅刻!』

「ぐっもーにん、梨緒ちゃん☆朝ごはん出来てるよん」

『……お、はよう……?』

「寝癖やば、オモシロ〜。早く顔洗ってきなよぉ」

『あ、うん……じゃない! 何でそんなに普通にしてんの!?』


黒いエプロンを来て右手には杓文字(しゃもじ)を持っているのは、昨日(なのかな?)梨緒を人生最大の不幸に陥れた張本人だった。


「何って、あれ? 言ってなかったっけ?
僕達はモニターの皆さんから意見を取り入れるために、時々こうやって交流を図ることになってるんだよ」

『へぇー、意外。まともなこともするんだね。飛ばしたらはい終わり、じゃないんだ』

「流石にそれじゃモニターをしてもらう意味無いからね」

『ふーん』


手で軽く髪を梳きながら寝ていたベッドから立ち上がる。

その時だった、違和感に気付いたのは。


『……姿見って、ある?』

「そこー」


少年が指差した場所には縁の白い至ってシンプルな姿見。
ゆっくり、恐る恐るそれに近付いて自身を映してみる。


『……な、なんじゃこりゃぁああああ!!』


松田優作かよ! とかツッコんだやつ、私今それに対して何か返す余裕ないから後で覚えとけ!


鏡の中には凡そ中学生くらいの少女で、それはまさしく紛れもない中学時代の梨緒の姿だった。




















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