フラグクラッシャー(笑)
□鬼が出るか蛇が出るか
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−−ピーンポーン
「あ、届いた」
『?』
朝ごはんの片付けも終えて、これから暮らす家をひと通り散策していた時に鳴り響いたインターホン。
因みにここはマンションの最上階で、そこそこ広い3LDK。二人暮らしなのに何だってこんなにも広い間取りにしたんだか。掃除をするときに大変なことこの上ない。
『桜、何が届いたの?』
「制服だよーん」
『……制服?』
そこそこ大きな箱を持ってリビングに戻って来た桜は、鼻歌でも歌い出しそうなくらいご機嫌な様子で開けはじめる。そこに入っていたのは……。
『……ねぇ、桜、くん……?これは何て言う学校の制服かな……?』
「えーっと、帝光中学ってとこ!」
ていこう……帝光? 帝光って、あの帝光……?
え、バスケットボール部の部員数が100を超えてるとか、キセキの世代とかいう厨二乙な奴らが幅を利かせていたり、謎の六人目もとい超絶影の薄い子がいたりするあの?
『マジで?』
「マジマジ。てか言ったじゃん。君の行く世界は黒子のバスケ″だよ、って」
『聞いてな……あー、それってもしかして、この世界に来る前に落とされた時のこと?』
「そーそー」
『あー、そん時私の意識フェードアウトしてたわ……』
まさかまさか。
飛ばされた先が黒子の世界だったとはね……いや、嫌なわけじゃないんだよ。むしろあんな美形ヤロー共を見ることが出来るかと思うと眼福あざーす! とかテンションぶち上がるんだけど……。
『この体質がね……何かしでかしそうで怖いのだよ……』
「? あ、そういえばさー、オプションに3つ何かしら付けるって言ったじゃん?」
『そんなことも言ってたねぇ。結局何になったの? 見た目的には何も変わってないっぽいけど』
テーブルに置かれた皺ひとつ見当たらない新品の制服を持ち上げながら尋ねる梨緒。
「なるべく無難なの選んだんだー。一つ目が体力の向上。二つ目が調理スキルの向上。それから三つ目が……」
案外無難なの、というか良いやつ選んでくれたんだなーとか暢気に聞いてたら最後に爆弾が投下された。
「逆ハー補正? っていうやつ。これはオプション人気ランキングで女の子No.1だったから入れてみた」
『……最後のは要らないから帰しておこうか』
「え、無理だよー。もう書類出した後だもん。決定を取り消すことなんて不可能だよ」
そういって可愛い笑顔を見せる桜に、渾身の力を込めたグーパンをお見舞いしたいと思った私は悪くない。むしろ我慢した私、偉い。
『よりにもよって逆ハー補正とか……! 最も要らないオプションだよ!』
「あ、因みに明日から学校あるよー。入学式だからね」
『……転校したい……』
入学する前から登校拒否になりそうな予感です……(泣)
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次からキセキとちょいちょい絡み始めます!