Love at first sight.


□Happy Birthday!
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それは6月4日の朝のこと。






「…………ん?」



昇降口で靴を取り出しながら、ふと隣の柳くんの靴箱を見た。

そこには、色とりどりの袋がたくさん入っているのが見える。


なんで袋なんか…ん?
え? あれ、もしかして?



「………誕生日、とか?」

「その通りだ。」

「当たりか…ってわー!? 柳くん!!」

「平田、おはよう。」

「おはよー…」



柳くんは慣れた手つきで、あらかじめ用意してたんだろう紙袋にプレゼントを入れていく。

…人気あるなぁ



「…じゃなくて!!」

「なんだ?」

「あたし柳くんにプレゼントとか用意してないよ!」

「別に必要ないが…(精市に殺されるからな)」

「えーでも…」

「伊吹遅い! 早く教室行こうよ!」

「あ、詩音! いいとこに!!」

「なにが?」

「今日柳くん誕生日なんだって!」

「あらま、おめでと〜」

「ありがとう。」

「プレゼントとか買ってないよ!」

「そーだ、じゃあこれ。」

「…クッキーか?」

「そ。昨日焼いたからあげる。」

「これは誰の似顔絵だ?」

「伊吹の。ほんとは伊吹にあげる予定だったから。」

ちょっとスルーしないでよ。てか何であたしのクッキー柳くんにあげてんの。

そうだよ。平田さんの似顔絵クッキーは俺が貰うべきだよ。

2人とも落ち着け、特に精市。



いつの間にか隣には幸村くんが立っていた。



「ふふ…まぁいいか。誕生日に免じて許してあげるよ。」

「……そうか。」

「はい。これプレゼント。」

「…あたしだけプレゼント渡してないじゃん…」

「いいじゃん。伊吹にあげるはずのクッキー渡したんだから、ある意味伊吹からのプレゼントだよ?」

「いーやーだー!! …あ、そうだ!!」



いいこと思いついた!
…OKしてもらえるか心配だけど。



「柳くん教室で待っててね!」

「…ああ。」



あたしは目的のクラスまで猛ダッシュした。












「……嫌な予感しかしないんだが…」

「……奇遇だね。あたしもだよ。」

「……何をするつもりなのかなぁ。」




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