立海大附属


□ルピナス
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俺は屋上に着いてすぐなまえに幸村は花のことを花言葉だと思っとった、と説明した。

焦りすぎて最後の方の説明は適当になったけど、なんとか伝わった…と思う。







「わかったなら早よ行きんしゃい! 時間がないぜよ!!」

「え、時間ないの!?」

「5分で行かせるって約束したんじゃ…じゃないと俺が逝かされる!!

生かされるならいいんじゃ…

それ全く逆の意味ナリぃぃぃぃぃぃ!!

「ご、ごめんって! じゃあ幸村のとこ行くから!!」







そう言うとなまえは屋上のドアを開けた。

……ああそうじゃ



俺はなまえの耳元であることを囁く。
その言葉になまえは笑って頷くと、屋上を出ていった。

これでもし5分経っても大丈夫じゃろ。








「ふー…」






それにしても手がかかる2人じゃの…疲れたぜよ。
てゆーか眠いナリ。


俺は本来の目的じゃった昼寝をするために寝転がった。
……ら、頭に何か当たった。









「……なんじゃこれ…花の種、の袋?」






…風で飛んだんかの。

俺はその袋を持って花壇に向かった。
飛ばしたわけじゃないが…幸村に誤解されて被害は受けたくない。



よく見ると袋の表には『ルピナス』って書かれとった。

花壇のブロックに腰かけて袋を裏返した。
説明文を読んでみる。








「えーと…

『まき時は4月〜11月頃 花どきは5月〜9月頃 ポイントは日当たりと水はけのよい場所を好む。酸性土を嫌うので、石灰をすき込み中和させる。』

…うん、意味わからん!







なんか細々しとってめんどくさいのぅ…


俺は下に書いてある花言葉を見た。







「…ほー」









今の2人にぴったりじゃな。

そう思いながら、俺は袋を花壇の隅に置いた。






ルピナスの花言葉は『やすらぎ』




きっと今頃あの2人は誤解が解けて笑いあっとんのじゃろーな。












「……なんか、えーのぅ。」








俺は、



俺はもしかしたら…









小さく呟いた言葉を知るのは俺だけ。





((俺は、2人がうらやましいんかの))
((俺はもしかしたら…なまえが…))

終わり
→あとがき(とおまけ)
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