本
□smile
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「あたし、苛めに遭ってるの」
無駄に暑い夏の日曜日の午後14時半。
コーラの波に浮かぶ氷のカランッという軽快な音と不釣り合いな台詞を、目の前の見目麗しい親友(たぶん)は告白した。
「…え? 」
「ほら,あたしって可愛い方じゃない? ひがまれちゃったみたいなのよね」
ふう..と溜息を吐く彼女は確かに美人で。
いや、確かに美人なんだけれど。
「いやいやいやいやいや! ちょっと待てこら」
「ま、冗談だけど」
「冗談かいっ! 」
可愛いらしく笑う彼女に突っ込む自分。
もはや条件反射としかいえないこの素早さに少し落ち込む。