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□小さな愛
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7月24日。PM10:00。
今日、並盛中で1学期の終わりを告げる終業式が行われていた。
並盛中の校長がこれから始まる夏休みについての課題や目標について話している時、二年の沢田綱吉は大きな欠伸をしながらその話をダルそうに聞いていた。
(はぁ、早く校長先生の話終わらないかなぁ…)
そんな事を考えながらツナは、斜め前にいる同じクラスの笹川京子に目をやると、ツナとは違い真面目に校長の話を聞いていた。
(京子ちゃん、今日も可愛いな〜)
ツナはそんな京子を見て、顔を少し緩ませているうちに終業式は終わりあっという間に1学期、最後の学校生活が終わっていった。
「やったぁ〜、夏休みだぁ!!」
ツナが自分の席で夏休みという行事に喜びを混ぜて、万歳の格好で背伸びをしていると――。
「10代目、1学期お疲れ様でした!!」
 同じクラスの獄寺隼人が自分の鞄を持ってツナの所に駆け寄ってきた。
「うん、お疲れ。獄寺君のおかげで夏休みの補習もなくなったし、今年はゆっくり出来る時間が増えて嬉しいよ。本当にありがとう!」
「い、いえ、俺は何もっ……」
「ツナ、獄寺、帰ろうぜ!」
ツナとデレデレ顔の獄寺の元に同じクラスの山本武がやってきた。先ほどまでツナと楽しく会話をしていた獄寺は、話を打ち切られた思いか凄い目で山本を睨みつけていたが、山本はそんな獄寺をいつもの笑顔で受け取っていた。そんな二人を冷や冷やしながら見ていたツナは帰る準備をして二人の間に入り、生徒玄関へと向かった。
その途中、三人は応接室の前を通過しようとした時にどこかで聞き覚えのある声が三人の耳に入り込んできた。
「君達……待ちなよ」
その声に、三人は応接室に立つ一人の人物に目線を送った。
「ひ……っ」
「ひっ……!」
「あ、雲雀」
三人の目に映りこんだ人物は並盛の風紀委員の雲雀恭弥が立っていた。
「て…てめっ、雲雀!何しに来た!?」
「あ、獄寺君っ!」
 獄寺は素早くダイナマイトを数本だし雲雀に立ち向かう姿を見せたが、いつの間にか愛用のトンファーで獄寺のダイナマイトは半分に切り裁かれていた。
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