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□Festa degli Innamoraty.
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「イタリアのバレンタインは、日本とは違うんだぞ」
リボーンが言ったのは、2月の初め。


「って聞いたんだけど、どう違うの?」
2月14日の昼前、チョコレートを持って隼人の家にやって来た綱吉が言った。
デートと称して昼食は外で済ませ、今は隼人の家でゆったりとしていた。

母国であり、今後綱吉も深くお世話になるイタリアへの興味を示され、隼人は目を輝かせた。

「女性からとか、チョコレートを、って限定はしないんです。大切な人へ自分の気持ちを伝える日……という認識ですね」
微笑む獄寺の淹れた温かいココアが体を芯からポカポカにしてくれる。
「ヤブ医者は山のような花束を渡しまくってフラれてました。あ、あとイタリアでは2月14日は祭日っス」
「そうなんだ!へ〜、休みなんだ、いいなぁ」
学生だから休みが一日でも多い方が羨ましい。
日本と本場イタリアとの違いに、綱吉は興味津々で耳を傾ける。
「ひょっとしたらいつか世界史で習うかもしれませんね。有名な話ですから」
「そっか…またその時お世話になるかも…」
「はい、了解しました♪」

嬉しそうに綱吉を見る。
その視線を感じるだけで彼女は幸せになれた。


 
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