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□それは無い。絶対に無い。
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「ボス!大変…!!」
「何…って!窓から入って来ないの!ただでさえ短いスカートなんだから!!!」
慌てた様子でやって来たのは、クローム髑髏。
どうして我が家にやって来る人物には玄関を使わない奴が多いんだろうか、と綱吉は内心頭を抱えた。
「そんな事より大変なの…さっき駅前で…あの人が…」
「あの人?」
「獄寺さんですぅぅ!」
「ハル!!」
キッチンにいる奈々に挨拶をし階段を駆け上がって来たハルは「ダメです、破廉恥です!」などと言いながら、髑髏を床に下ろしてやる。
一連の行動を見終えた綱吉が口を開いた。
「で…?獄寺君が駅前で、何なの?」
「あぁ、そうなんですよツナさん!獄寺さんが知らない女の人と駅前のジュエリーショップに居たんです!」

「…………え?」
聞きなれない文が耳を通り抜けた。
「女の人…ビアンキじゃなくて?」
「違います!ビアンキさんならわかりますよー!」
「私も…知らない人、だったから…」
まさか、そんな。
そんなことあるわけが、ない。

二人はつい1時間ほど前、家の前で別れたばかりなのだ。
それまでも、ずっと手を繋いでいたし、明日は金曜日だから夜から隼人の家で過ごす事も約束したのに。

「獄寺さん…もしかして浮気…」
「そっ、そんなこと無いよ!さっきだって“また明日”ってキスまでしてくれてっ……!……あ…///」
予期せぬ事態に思わず口を滑らせてしまい、綱吉が顔を赤くした。


 
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