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□未来の子供
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「ねぇ、獄寺君。子供欲しい」
「へ?」
ランボと喧嘩していた獄寺は、喧嘩をピタリと止めて口を開けたまま固まっていた。
【未来の子供】
今日は日曜日。もうすぐ期末テストがある並盛中の獄寺、山本はツナの部屋でテスト勉強に励んでいた。しかし、途中からランボが部屋に乱入し暴れだした為、獄寺がランボを絞めてるときにツナの一言で部屋はシーンとなった。
「ぁ…ぁのっ…じゅーだいめぇ?」
(まさかなぁ…聞き間違いだよなぁ…)
獄寺は挙動不審になりながらランボを離すとツナに恐る恐る近づいてもう一度、話を最初から聞こうと正座をし始めた。
「あのっ、最初から話していただけますか?」
「ん?だから子供が欲しいの」
(聞き間違いじゃなかったああっ!!しかも最初の話がそこからですか!?)
獄寺はまずどう答えていいか分からず、ただ黙って目線を下にして一人言葉を捜していた。
(まず、俺たちは付き合って半年経つし、キスもエッチも経験済み。でも俺たちはまだ中学生だから、子供と10代目を養える生活はまだ出来ないし……etc)
「ねぇ、獄寺君。そんなに考える事?」
「ぇ………えっと…」
「山本は子供欲しい?」
「俺?そうだなぁ、出来れば三人ぐらい欲しいのな♪」
山本はいつもの笑みで簡単にそう答えた。するとツナも―。
「だよねぇ?俺もいつか子供欲しいと思っててさぁ♪」
と、淡々と山本と話を盛り上げていた。獄寺はそんなツナの姿を見て少しの間真剣に考えていた自分が馬鹿馬鹿しく思えた分、少し悲しい気持ちもあったのか静かにまた勉強し始めた。