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□愛情込めて
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「お疲れ様です」

 その声でオレは目を開け、少しうな垂れる。
(オレ寝てたー…!)
 うん、確かに途中までは記憶にある。未だたどたどしいイタリア語で会話を続けていられたのはどれくらいの時間だったのだろうか。気付けば一連の作業は終了していて、オレは小さなベッドの上で俯せで眠っていたようで、綺麗な女性が目の前で笑っていた。
「お疲れだったみたいですね」
「……知らぬ間に疲れが溜まってたみたいです。ありがとうございました」
「それは良かったですわ。ゆっくりしていただけたのなら、こちらも嬉しい限りですもの」
 上品そうに見える彼女の言葉遣いはきっと日本語にするとこんなニュアンスだろう。そんな女性スタッフと会話をして、オレは彼女が背を向けている間にバスローブに袖を通し、思う。体ちょっと楽かも。
「料金はお帰りの際にフロントで承りますので、こちらをお持ちくださいませ」
 手渡された領収書を受け取り、部屋を出る彼女を見送る。再び部屋を施錠して、オレは彼の元へ急いだ。

† † †

 
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