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□Festa degli Innamoraty.
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「あ、いただいたチョコレート、食べてもよろしいですか?」
「うん。いいよ?ってか獄寺君に食べてもらうために持って来たんだからオレに断らなくてもいいよ」
「いえ、大切なチョコレートですから!あ、もし良かったら一緒に食べませんか?」
「いいよいいよ、獄寺君が食べて♪」
「そうですかぁ?」と言いながら、顔を緩ませて小さな箱を持ってきた。

決して派手でなく、むしろ地味な部類の包装紙だが、それでも気持ちは篭っている感じがする。
隼人はそれが嬉しかった。
破らないように丁寧に包みを取り、箱を開けると、甘い香りがした。
「じゃあ、いただきます♪」
「どうぞ♪」
中身はトリュフで、ひとつひとつ色とりどりのパウダーがかけられていた。
その中のひとつを丁寧に取り、口に運ぶ隼人。噛みしめて味わうのを、綱吉はドキドキしながら見ている。
咀嚼し、飲み込んで。満面の笑みで言った。
「美味いっス!」
「ほ、ホント?」
「はい!最高ですよ、こんな美味いの初めてです!!甘すぎないからこれだけでも食えますよ♪」
ニコニコ笑いながら、二つ目を食べる。
綱吉は、照れくさそうに笑った。
「良かった…獄寺君の口に合って…」
「え……?あ、あの…もしや…手作り……ですか?」
「う、ん……///」
恥ずかしそうに俯く綱吉を見て、体を震わせながら彼女を抱き締めた。
「ひゃ!ご、獄寺君?!」
「嬉しいです!ありがとうございます!幸せすぎて死ねます!!」
「いちいち死なないで!!」
ギュウギュウと力一杯抱き締められて少々痛い。放せ、とばかりに背中をポカポカ叩くが幸せ度数200%な隼人に効果はないようで。
綱吉は諦め、叩いていた手をそのまま背中に回して抱き付いた。
 

 
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