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□Festa degli Innamoraty.
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マンション前の公園はうっすらとではあるが、一面の雪景色だ。綱吉は、まだ誰も足跡を付けていないそこへ、ドキドキしながら踏み出す。
「わ!サクッて音がした!!」
「オレも聞こえましたよ!少しでも鳴るんですね〜!」
「すごいねー♪」
サク、サク…。
一歩ずつ跳ぶように歩くその姿は、なんとも愛らしい。

隼人は、視界の端に映ったブランコに近寄り、積もった雪をどけそこに座ると、綱吉を呼び寄せた。
「綱吉さん、こっち来てください♪」
「ん?うん♪」
近寄る綱吉を自分の膝に座らせる。
「獄寺君?」
「しばらくこうしてていいですか?寒くなったら、摩って差し上げますから」
「――――…わかった///」

「綺麗だね〜♪」
「そうですね。でも、雪に映える貴女「以下省略してね恥ずかしいから」
「え――――…」
耳まで赤い顔を逸らす綱吉の首元を温めるように顔を埋める。
髪や粋があらわになった肌に触れるせいか、くすぐったそうに身を捩った。
「まだ寒くないよ?」
「いいんですよー。オレがしたくてしてるんです♪」
(誰も通ってないからいいとして…)もしも知り合いに見られた場合を考えないと…と思っていると。

「あれー?ツナと獄寺じゃん」
「「!!」」
トレーニング中と見える山本が、ちょうど公園を通りかかった。
綱吉は顔を一層赤くして、今度は山本から目を逸らす。
「ラブラブだなー。いいなー、折角のバレンタインだもんな、オレもイチャイチャしてぇー」
「う、うるせぇな!わかってんなら声かけんなよ!!」
「えー?だって羨ましーんだもん。ツナぁ、チョコレート頂戴?」
「えぇ?!」
冗談とわかるそれに、獄寺は目を剥いて怒る。
「おいコラ!ふざけた事言ってねーでどっか行けよ!」
「や、山本。今度うちでバレンタインパーティーするから、その時でいい?今は持ち合わせてないんだ…」
「アッハハハ。うそうそ。気にすんなって!でもパーティーは嬉しいから、お邪魔させてもらうな♪んじゃなー」
風邪ひくなよー。と、付け加えて山本は去っていった。


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