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□それは無い。絶対に無い。
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「と、とにかく!それはないよ!うん!!」
「そう…ですよねぇ!ごめんなさい、ツナさん!ハルが浅はかでした!!」
「ごめんなさい…ボス…」
「うぅん、いいよ。心配してくれてありがとう、二人とも♪」
と、笑顔で二人を送り出した。

しかし「そんなことない」と言い切りはしたが、夜になっても綱吉の心にはモヤがかかったままだ。
(もしかして、本当に浮気…?うぅん、獄寺君に限ってそんなこと…あぁでもオレ、ダメツナだしな〜〜…ひょっとしてさっきのキスもボスへの社交辞令…)
「うーん…うぅぅーん…」
「うるせーぞ」
「痛ぁっ!!」
風呂あがり。まだ濡れた髪に蹴りを入れられる。
「無い胸を晒しながら唸るな、見苦しい」
「う、うるさいな!そんな事言うくらいなら無視して風呂入れよ!」
こっちは恋路に真剣だというのに、小さな家庭教師は容赦ない。
「別にお前の体に興味はねーが、見苦しいのは黙ってられないからな」
「二回言うな!今の悩みはそんなことじゃないんだよ!」
コンプレックスを指摘されたことに腹を立てて。
急いで服を着て部屋に駆け込んだ。

「うーん…どうなんだろう…。やっぱり浮気かなぁ…」
色々考えてみるも、やはり半信半疑。
「っていうか、そんな女なんかより、オレの方が絶対獄寺君のこと好きだもん」
誰よりも彼が好き。それは綱吉が日々思っていたことだった。
「……明日、確かめよう」
イライラや切なさと闘いながら、綱吉は眠りに就いた。


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