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□魔女っ子☆ツナたん
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[入門編]


とりあえず、外で話すのもなんなので、オレは彼女を家に上げて話を聞く事にした。
「年は1万と14歳。わかりやすいと思うけど、こっちの世界では1万引いてね♪」
「はぁ…わかりました」
「敬語使わなくていいのに」
しかし、つまるところ同い年に見えてものすごく年上って事だ。敬わないといけない。
オレはこういうことはちゃんとする主義なんだ。

「どうして、この世界に来たんスか?」
「立派な魔女になる為だよ。うちの家系は恋愛に関するおまじないを軽ーく叶えてあげたりするんだ。その10代目候補なの。まぁ、色々深くは気にしないで?」
「へー…」
与えていい物と悪い物がわからなかったので、とりあえずオレも彼女も飲めるように出したペットボトルのミネラルウォーターの二本のうちの一本を手に取り、煙草の間に少し飲む。

「とりあえず、人間に害を与えないように、一年間過ごせって事なんだけど…」
じー…っとオレを見つめてくる。
もしや。
「もし、よかったら…オレをここに置いてくれませんか?迷惑になったら追い出してくれていいんで!」
深々とお辞儀される。
まず家に上げたのは俺だし、ここまでされて断るほど情が無いわけでもない。
「わかりました、いいですよ」
「本当?!」
「はい。狭い所ですが…よろしくお願いします、10代目」
「わ…な、何か照れ臭いな///」


こうして、人間の中学生と見習い魔女との同居生活が始まった――――。



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