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□それは恋?3
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「何で、俺の教科書飛んできたの?」
「…あぁ、たまに俺の部屋ポルターガイストが起こるんスよ♪」
「えぇっ!?」
「大丈夫っス♪10代目に危害が加えないようにしますから♪」
「でも……あ、獄寺君、血が出てる!」
10代目が俺の額に手を当てると近くにあったティッシュで傷口を押さえてくれた。
「待ってね…今、絆創膏出すからっ!」
「すみません。教科書の角で切りましたかね?」
10代目は自分の鞄から絆創膏を取り出すと、俺の傷口に絆創膏を貼ってくれた。
「痛くない?」
「はい♪有難うございます♪」
「いいよ♪それよりゲームの続きしよ?」
10代目が笑顔で俺にコントローラーを渡してくれた。その時の10代目は天使みたいで俺は凄く幸せな気持ちだった。だがそれは一瞬の出来事だった。


バシャアッ!!

「ぇ………」
俺は頭からアイスコーヒーを被った。いや、被らされた。俺が飲みかけだった物が。
10代目に。いや…10代目に似たツナに。
だけど、俺の下には10代目が目を丸くしながら俺を見ていた。
俺は察知していた。このアイスコーヒーを被るのは自分ではなく10代目だった。
その瞬間、俺の中で何かが切れた。
「ツナッ!てめぇ、いい加減にしやがれっ!!」
「ひ…」
俺が突然怒りを露わにした瞬間、ツナは耳を垂らして尻尾を自分の体の中に隠した。
「10代目に掛かってたらどうするつもりだっ!?ふざけんじゃねぇぞ!!」
「ちょっ、獄寺君!?」
10代目は俺が何でツナに怒っているのか分からないせいか、俺の怒りを止めようと体を張って押さえよとしていた。だけど、俺は色々と限界のせいかツナに当たり続けた。
「10代目に少しでも傷をつけてみやがれ!いくらてめぇでも許さねぇっ!!」
「〜〜っ!!」
ツナは目に涙を溜めながらリビングを走って出て行った。そんなツナ俺は目で追った後、息を乱しながらその場に座り込んだ。
「はぁっ、はぁっ!くそっ!」
「…獄寺君…何でツナに怒ったの?ツナ何もしてないよね?」
「……10代目……すみません……今から貴方だけに本当の事お話いたします」
俺はアイスコーヒーで濡れた髪を掻き上げて10代目を真剣な目で見た。
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