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□ストーカー
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一ヶ月前ぐらいから始まった「ストーカー」という被害。
獄寺君や山本が一緒の日は「ストーカー」は現れず、いつも俺が一人の登校と下校の時間に「ストーカー」は現れる。
この日も俺は一人で学校に登校していると、後ろから俺と歩く同じスピードで一人、二人…いや今日は三人ついて来ていた。俺は怖くて後ろを振り向けないが、超直感というもので「ストーカー」の人数が分かってしまう。だけどこんな時に直感みたいな特技を持った自分が凄く嫌になった。だって人数が分かるという事はそれだけ「ストーカー」の被害が大きくなるという事。俺は学校に着くまでその「ストーカー」につけられたまま、冷や汗を掻きながら何とか校門をすり抜けたが、そのすぐ近くで風紀委員の雲雀さんが副委員の草壁さんと並んで立っていた。
「ひぃっ!雲雀さん、おはようございます!」
「……おはよう」
俺は鞄を抱きしめながら挨拶をすると、雲雀さんは俺を見下ろして腕を組みながら挨拶をした。
「じゃぁ、失礼します!」
俺は雲雀さんに関わらない様にゆっくりとその場を立ち去ろうとした。が――。
「待ちなよ、沢田綱吉。君、僕に喧嘩売ってるの?」
「えぇっ!?」
雲雀さんが突然俺を呼び止めトンファーを出しながら俺に近づいて来た。俺は後退りしながら突然不機嫌になった雲雀さんに聞き返した。
「な、何の事ですか?」
「とぼけないでよ。ここ最近君の所為で僕の仕事が増えているんだけど」
「俺の所為!?何でですか!?」
「!……君、アレに気付いてないの?」
雲雀さんが話している最中にHRの始まるチャイムが鳴り響いた。俺は雲雀さんに頭を下げると走って校舎へと向かった。雲雀さんは追いかけて来なかったけど、ずっと校門の外を睨むように見ていたけど俺は気にせず教室へと向かった。

その場に残っていた雲雀はある一点を見つめながらゆっくりと口を開いた。
「君達、何しに来たか知らないけど…この学校に一歩でも足を踏み入れたらかみ殺すよ?」
雲雀はそういい残すと草壁と共に校舎へと入っていった。そして綱吉が気付かなかった三個の人影はゆっくりとその場から姿を消した。
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