本棚

□ストーカー
3ページ/10ページ

ギリギリで教室に入り込んだ俺は席に着くと、山本が俺の近くにやってきた。
「おはよ、ツナ!」
「おはよう、山本。今日獄寺君は?」
「あいつ、何か花火がどうとかいって午前中休むってさ!」
(あぁ、ダイナマイトかぁ…)
俺はそう理解すると鞄から教科書やノートを出して机の中に閉まった。
授業が始まると、俺は朝の「ストーカー」について記憶を辿っていた。
思い返して見れば「ストーカー」の被害は一ヶ月前ヴァリアー戦が終わって数日経った時から始まった。
たまたま一人で家まで帰っている時、俺だけしか歩いていないのにどこから俺と同じ速度で歩いてくる足音が聞こえてきた。その足音は俺が立ち止まると止まり、歩き出すとまたついてくるという完璧な「ストーカー」だった。
ただ、俺が振り向くと後ろには必ず誰もいなく俺は毎日この「ストーカー」の事で頭を悩ませていた。
(どうしよう…ほとんどストーカーにあうなんて、絶対俺に恨みがあるんだ)
俺は頭を抱えながら授業を受けていた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ