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□どきどき☆タイムスリップ
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「どこだ、ここ…」
獄寺は呆然としながら必死に記憶を掘り起こし始めた。
――――確かオレは、10代目とのデートの待ち合わせで公園のベンチにいたはずだ。
そしたら、アホ牛が来て…何かウゼーこと連発してて…。
一発殴ったら10年バズーカ取り出して……。
「……って、オレが10年後に来たってことかぁぁ?!」
改めて認識した獄寺は、その場にうずくまる。
どことも知れぬ場所で5分過ごすのが、こんなにも不安とは思わなかった。
真剣に考えて、彼が取った行動は――――。
(とりあえず、ここでじっとしとこう…)
幸い、飛ばされたのはどこかの部屋の中で誰もいないようだから、高そうなソファに座って時間が経つのを待つことにした。
うろうろと部屋の中を歩き回り、色んなことに気付く。
部屋が綺麗に整頓されている事。
大きな机に飾られている花とは違う、良い匂いが部屋中にする事。
それを、どこか懐かしく思う事。
「……すっげ落ち着く…」
†††††