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□どきどき☆タイムスリップ
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「戻れないのか〜。それは困ったねぇ」
「はい……帰ったらアホ牛ぶっ飛ばします…!!!」
「あんまり酷いことしちゃダメだよ?」

行儀良く足を閉じてソファに腰掛け、淹れてくれたコーヒーを口にしていた獄寺は、隣に座った綱吉に目と意識をすっかり奪われていた。

「それにしても…10代目…お綺麗ですね…」
「え?そう?」
「はい…その…今…10年前の貴女ももちろん素敵なんですが…何かこう…大人の魅力と言いますか……色んな物が加わって…すげー…目が離せないです」

目を丸くして獄寺を見つめていた綱吉は、ふと微笑んで言った。

「ありがとう。君にそう言ってもらえると、嬉しいな。えへへ♪」

はにかんだようなその顔は、更に獄寺を魅了する。
中学生の綱吉は、「可愛い」や「素敵」と聞くと、顔を真っ赤にして否定するのに。いつもと違う彼女を見て、獄寺は言いようのない気持ちに襲われた。

「でも君もやっぱり男の子だねぇ」
「はっ?な、何スかいきなり…」
「この時代の君は、身長結構高いんだよ」

そっと立たせて、背を比べる。
14歳の少年と24歳の女性の身長は、ほんの少しだけ、少年の方が高かった。

「えー、オレ中学生の隼人にも勝てないのぉ?」
「そんなデカいんですか?オレ…」
「うん。高校ぐらいでオレの背がここで止まってね?それぐらいから隼人がまた伸びだしたの。折角近付いたのに…」

綱吉は隼人を覗き込んで続ける。

「おかげでキスするの大変なんだよ?」
「ぶっ!え、えぇっ?!」


 
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