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□aquarium
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「すいません。ちょっとトイレ行ってきますね?」
「うん、ここで待ってるね?」
獄寺は小走りでトイレに向かうと、ツナはトイレの目の前にあるベンチに座った。
そして、パンフレットを開いた時に目の前を自分より遥かに小さな女の子がグスグスと泣きながら横切るのをツナは見つけた。
「ひっく…ひっく……ぉにいちゃん…」
ツナはその子を少し見ながら自然と腰を上げ、その子に近づいた。
「君、どうしたの?」
「ひっく……おにぃちゃん…いなくなっちゃったの〜」
女の子は泣きながらそういうので、ツナはパンフを見ると迷子センターが今いる地点から近い事を知るとその子の手を握った。
「じゃぁ、お兄ちゃん見つけてあげるから俺と一緒に来てくれる?」
「ぅん…」
ツナはその子を連れてそのまま迷子センターへと向かった。しかし、ツナの頭に獄寺の存在を忘れていたため、5分後にトイレから出てきた獄寺はツナがいない事にパニックを起こそうとはツナは思っていなかった。

******

ツナと女の子は迷子センターに着くと、一人の背の高い男性が従業員にオドオドしながら話している姿があった。
「おにいちゃぁん!」
その瞬間、女の子が泣きながらその男性の元へと走って行き、勢いよく抱きついたのであった。
「ツナっ、お前どこに行ってたんだ!?」
「うぇぇぇんっ!」
男性はツナという少女の頭を撫でながらツナに目線を送った。ツナはそれに気付き、少し頭を軽く下げた。
「君がツナを連れてきてくれたのか?」
「あ、はい。ちょうど目の前を泣きながら歩いてたんで…」
ツナは優しい笑みで男性に答えると、男性はそんなツナを見て黙り込んだ。
「君、名前は?」
「え、あ、沢田綱吉です」
ツナはアタフタしながら男性の質問に答えると、男性はツナの片手を取り手の平にキスを落としたのだ。
「ふぇ……?」
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