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□これは恋【番外編】
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ツナが愛猫(LOVECAT)から人間になって1ヶ月が経った。
人間になったツナは俺、獄寺隼人と生活を共にするようになった。ネコの時とは違い家事、掃除をテキパキとこなす様になっていて、今では二人と一匹で生活している。
「隼人っ、隼人っ、朝だよ」
「………ん?」
いつもと変わらない平日の朝。前と違うのは毎日ツナに起こして貰うようになった事。
「着替えたらキッチンに来てご飯食べてね?」
オレンジのエプロンをつけたツナはそういうと寝室を出て行き、俺はベッドから降りると制服に着替えた。その数秒後にツナの妹猫が欠伸をしながらベッドから降りてきた。

これは恋?【番外編】

キッチンに行くといつもいい匂いがして、最近この瞬間が好きで起きるのが待ち遠しくなっている。心の中で「夫婦みたいだな」と少し浮かれた気持ちにもなる。椅子に座ると、ツナが俺の前にパンとスクランブルエッグを置いてくれた。
「隼人、コーヒーでいい?」
「あぁ…」
俺はパンにバターを塗りながら、ツナのコーヒーを入れる姿をジッと見ていた。
「?隼人?」
ツナは俺に見られている事に気付き、首を傾げながらコーヒーを入れた。その姿に俺は愛らしさが込み上げてきて、少し顔が緩んだ。
が、その時だった。
「ねぇ、朝から気持ち悪い顔しないでくれる?」
聞きなれた声に、背中から悪寒を感じるとゆっくりと自分の横に目線を送った。そこには黒い髪の毛に目つきの悪い見慣れた顔が、コーヒーを飲みながらこちらを睨みつけている人物がいた。
「ひ、雲雀!?」
俺は勢い余ってその場から立ちがると、ダイナマイトを手にして戦闘態勢に入った。
「てめ、何でこんな所にっ…ていうか、いつの間にいたんだ!?」
「君が来る前からここにいたけど?悪い?」
「悪いに決まってるだろう!?俺たちの生活の邪魔をするな!!」
「邪魔なんかしてないし…それに私、ツナの許可を得てここにいるから」
「私?お前、キョウヤか!?」
「遅いよ……早く区別つけられるようになってよ?そんな物騒な物投げられたら引っかき殺すよ?」
「お前の場合は似すぎて、区別つける暇がねぇんだよ!!」
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