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□これは恋【番外編】
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俺はダイナマイトでキョウヤを指しながら怒るがキョウヤは平然とコーヒーを飲んでいた。
「で、何でここにいるんだよ?」
「………」
俺の質問にキョウヤは少し目を伏せながら、コーヒーをゆっくりと机に置いた。
「隼人〜、キョウヤ、家出したんだって」
「家出!?何でだよ?」
「あの人が悪いんだよ…」
「あの人って…山本か?」
俺はダイナマイトをしまいながら椅子に座ると、キョウヤはゆっくりと口を開いた。
「あの人……っ」
キョウヤは体を震わせながら俯いた。俺はてっきり泣いているのかと少し同情しようと思っていたが、キョウヤは机を両手で叩きつけながら立ち上がるとー。
「あの人毎晩毎晩、交尾をしてくるから嫌になって家出したの!」
「………はぁ!?」
「毎日腰が立たなくなるぐらいセックスしてくるから、嫌になってあの家を出てきたの!」
キョウヤは顔を赤くしながら俺にそういうと、言い終わったのかストンとまた椅子に座り込んだ。
「そんなの正直にあいつに言えばいいじゃねぇか?」
「言っても言う事聞かないからこうやって家出してきたの!!」
「それで、家出先が俺の家なのか…」
「……悪いとは…思ってる…」
キョウヤは少し耳を垂らしながら、シュンとし始めたので俺は攻めるのをやめて事情を聞くことにした。
「嫌なら本気で嫌がればいいだろう?」
「出来るわけないよ…そんな事…」
「キョウヤ、ご主人様の事好きだから…うまく気持ちを伝えられないんだよ」
「………とりあえず、俺学校に行って山本に事情を聞いてくる。いつまでもお前をここに預かってられねぇからな?」
俺は鞄を持つと玄関へと、歩いた。すると、ツナがトコトコついてきた。
「隼人、キョウヤがここにいることは黙っておいてね?キョウヤ、私としか一緒にいる人いないから…」
「あぁ、分かった。その変わりキョウヤと一緒に大人しくお留守番してろよ?」
「うん♪いってらっしゃい、隼人、ちゅ♪」
ツナは俺の頬にキスをすると手を振りながら俺を送ってくれた。そんな俺たちを、キョウヤは陰からこっそりと覗いていたのを俺たちは知らなかった。
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