本棚

□study
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像や、当時の器具なんかが展示されている横に、説明文が載っている。
最初は努力しようとしたものの、案の定瞼が重くなってきたので、それはすぐ諦めた。
木で作られた古い棺桶も「すごいなぁ」とは思うけど、それほどの感動は湧いてこない。
プラプラと歩いて、映像がある前で立ち止まりそれを見ている。

獄寺君は、文字の一つですらも逃さないように隅から隅まで眺めていた。

(すごい、真剣な顔…)

授業中や本を読んだりする時は眼鏡を掛ける彼は、今も眼鏡を掛けている。
カップルで来ている女の子ですら振り返る、っていう男前っぷり。

オレの、なんですけど。

少しイライラしながら歩いて行くと、さして広くない会場だったのでもう終わりだ。
獄寺君はまだかかりそうだったので、会場を出て前のベンチに腰掛け待つことにした。


 
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